2013年09月26日

平成生まれのファミコントーク #2 怒


メーカー:ケイアミューズメントリース
発売日:1986年11月26日
ジャンル:アクションシューティング






(前回の記事はこちら)
始めに言っておかなければならない。
このゲームはいわゆる「クソゲー」扱いをされている。

SNK(2001年倒産)と言えば今でこそ対戦格闘ゲームの印象が強いが、昔は様々なジャンルのゲームを作っていたのである。
改めてSNK関連のゲームの歴史を見てみると、タイトーやカプコンからの影響を強く感じる。
その中の一つがこの「怒」である。
元々1986年にアーケード版が発売され、それと同年の11月にファミコン版がリリースされたのであるが、このアーケード版の操作方法こそがファミコンに移植するにあたっての大きな壁となった。
アーケード版は、「ループレバー」という特殊なレバーを使ってプレイするゲームだったのである。
この「ループレバー」という操作方法の源流については、まずタイトーが1983年に発売した「フロントライン」から語らなければなるまい。

「フロントライン」は青い軍服を着た主人公を操り、拳銃と手榴弾を用いて敵の歩兵や戦車を倒していくアクションシューティングである。
敵地には主人公が乗れる戦車も置かれており、それに乗ればもっと高速にもっと強力な攻撃が出来る。
爆発寸前の戦車から逃れるために脱出するシステムもあり、なかなかに爽快感のある白兵戦ゲームである。
と書くと非常に簡単そうなゲームに思えるが、実はこのフロントラインも操作方法が特殊なのである。
自機の移動こそ八方向レバーだが、フロントラインでは拳銃や手榴弾を投げる角度をかえることができる。
その時に「ダイヤルスイッチ」と言う特殊な部品を使うのだ。
ダイヤルスイッチは円形のツマミとボタンを合わせた誠に奇妙な部品であり、一言で言うと「つまみを捻りながら拳銃を向ける方向を変え、それを押し込むと拳銃を撃つ」ことが出来る代物だったらしい。


frontline.jpg


だったらしい、というのも筆者が平成生まれであり、生まれてこの方そのような特殊なレバーを見たことがないからであるが……。かなり特殊な部品だと思われるので、今使いたいとなると自作するしか無さそうな気がする。
私はWindowsに移植されたフロントライン(アルペンスキーとバルーンボンバーとのカップリングだ)を昔所持しておりプレイしたことがあるが、その際にはキーボードに射撃角度変更キーが割り当てられていた。
その状態でも、「上下左右から現れる敵の射撃から逃げながら、拳銃の方向を変えて撃つ」ということをするだけでパニックになったのだから、ダイヤルスイッチを初めて触れた人など馴れるまでに何度もコインをつぎ込まなければならなかったのではないだろうか?
だが、一旦操作に慣れてしまえばかなり楽しいので、私もWindows版をよくキャッキャッとプレイしていた。

今回取り上げる「怒」は、言ってしまえばフロントラインパワーアップ版とも言えるアクションシューティングである。
銃と手榴弾を用いて様々なタイプの敵を倒していくし、例によって敵地に主人公が乗れる戦車もある。
その他、赤や緑の兵を倒すと様々なアイテムが貰え、特に「B」アイテムなどは手榴弾や戦車の砲弾を発射するとすごい爆風が発生し、それによって敵を一網打尽にすることができるため、かなりの爽快感を味わえる。「怒」の一番のウリと言ってもいい部分だろう。
色々な罠も仕掛けられていたりするのでなかなかに油断できないゲームである。難易度はすごく高い。
さて、アーケード版「怒」で使われている問題の「ループレバー」であるが、こちらはフロントラインが射撃ボタンに射撃角度変更を兼任させたのとは違い、自機移動に使うレバーに射撃角度変更機能を付けたものである。
つまり、射撃角度を変えたいときはレバーをひねり、自機を移動させたい時にはレバーを倒す。左手に自機の移動をすべて任せるというのだから、考え的には理にかなっているように思える。


ikari00.jpg


例によって平成生まれの自分はループレバーそのものを見たことすら無いが、ダイヤルスイッチよりはまだ操作しやすそうな気もする。
ダイヤルスイッチよりも余計に奇異な見た目をしている上、SNKも倒産しているので使うには自作するしかなさそうだ。

ただ、これはある程度特殊なコントローラが許容されるアーケード版でこそ許されるわけで、十字キーとA・Bボタンしかないファミコンではどうしても移植の際に問題が出てきてしまう。
まず「フロントライン」がそれをどう解決したか、だ。1985年に発売されたファミコン版フロントラインは、十字キーを押すとその方向へ移動しつつ拳銃も向けるようになった。
右に移動すれば右に拳銃を向け、左に移動すれば左に拳銃を向け、と言った具合であるが、アーケード版では出来た「拳銃を前に向けながら後退」が出来なくなったことは、プレイヤー的にも「なんか違う」と思わせる原因となった。
ただ、同時期に発売されたカプコンのアーケードゲーム「戦場の狼」では最初から同等の操作方法とっていたので、馴れさえすれば割とどうにでもなる変更点であった。
(厳密に言えば、戦場の狼の場合レバー斜め入力時とニュートラル時での弾道が変わるよう工夫されているところが違う)

問題は「怒」である。フロントラインは射撃角度こそ決めづらいものの、きちんと敵の弾を避けることが出来る。だがこの怒では、敵の弾を避けようにも自機の動きが鈍重でなかなかに厳しい状況に追い込まれる。
何故か。それは十字キーにループレバーの機能を全て詰め込もうとしたからだ。
実際に「怒」を持っている方は、手元のファミコンにそれをさして電源を入れていただきたい。そしてスタートボタンを押そう。
飛行機が墜落するいつものデモシーン!そして現れる我らがラルフ!そこで試しに押していただきたい。十字キーの下をだ!
貴方が誤って「フロントライン」や「戦場の狼」をファミコンに差していないならば、後退するどころか銃を右斜め上に向けて少し前進したはずだ。


ikari01.jpg


この挙動こそが、ファミコン版「怒」がクソゲー扱いされてしまっているゆえんなのである。
方向キーを一回押す毎に、その方向へ22.5度づつ射撃方向が変更される。そして方向キーと射撃方向が一致した場合にのみ自機は移動する。
よって、前を向いている状態から後ろへ移動しようと思おうものなら、その場で主人公が体を反転させる間のタイムラグが大きな問題となってくるのだ。
「銃を前に向けながら後退ができない」のはファミコン版フロントラインと同等なのだが、このタイムラグが思いの外長く「主人公の移動が鈍重」というイメージをいっそう大きくしている。
背後に敵が現れるだけで割と本気で逃げ惑うことしかできないのである。

ただし戦車に乗ると事情が違ってくる。戦車の乗っている時はBボタンを押しながら方向キーを押すとその方向に砲塔を向けることが出来る。
歩兵であれば当たるだけで倒せる上に、砲弾は「B」アイテムをとっていれば爆裂するのでアーケード版と同じ爽快感が味わえる。


ikari02.jpg


ただし、戦車から降りるときは完全に同時ではなく「Aボタンを押しながらBボタン」をしないと戦車の自爆ボタンが押されてしまう可能性があるので要注意だ。
でも実際にはA・B同時押しや「Bボタンを押しながらAボタン」をしても普通に降りられる時もある。
説明書が無いので何がどういうアレで自爆するのかが分からない。
戦車に乗っている間はまだ安心だが、戦車では進めない河を渡る場面がどうしても鬼門になる。
そこをどう乗り越えていくかを考えるのが、このゲームの面倒なところであり楽しいところでもある。

その他、ファミコン版「怒」ではアーケード版とはかなりの部分で違いがある。
まず、ファミコンの性能上の問題を解決するため、一度に出てくる敵キャラの数が制限されている。
たくさんの兵士がわらわら集まってくるアーケード版からすると寂しく思えるが、操作性が操作性なのでこれ以上敵キャラが増えるとプレイするどころでは無い。
というより、敵が少なくなっていても敵の配置を覚えない限り1面クリアすらできない難易度なのでそこは安心していただきたい。
その代わり、マップがアーケード版と比べてかなり長くなっているので末永く楽しめるのはポイントだ。1面クリアだけでアーケード版の7割くらいプレイしたぐらいの長さはあるように思える。
ちなみに残機が無くなりゲームオーバーになった後、GAME OVERの文字が表示されるまで長い時間がある。
その間に「A・B・B・A」の順番でボタンを押すとその場からコンティニューが可能だ。回数制限は無い。
まずはコンティニューを使いまくり先まで進んでみて、それからどのように攻略していくかを考えていくのが精神衛生上もいいだろう。



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個人的な結論としては、操作性という点では擁護できないゲームであるが、アーケード版の爽快感をできる限り表現しようとしているところは評価できる。
ただ、「戦車に乗る」というだけの過程でも、最初のうちは操作性の関係上、何回かゲームオーバーにならないと厳しいので、そこあたりでクソゲー認定されてしまっているのだと思う。
難易度に関してはそもそものアーケード版の怒からしてノーコンティニュークリア前提で作られたゲームでないのだから、「完全クリアを目的とせずどこまでいけるか腕試しをしてみる」ぐらいの感覚で遊べばかなり楽しいのでオススメだ。
でも、モヒカン野郎(歩兵状態だと手榴弾2発でしか倒せない)だけは勘弁してください……。

余談になるが、この手の白兵戦ゲームは後々も多数発売されているが、射撃方向に関しては「ボタンを押している時のみ射撃方向固定&オート連射」という形を取っているゲームが割と多いようだ。
細かい角度の変更が必要な「怒」にはあまり向かなそうな気もするが、とんだコロンブスの卵もあったものである。





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posted by BAA at 14:57 | 鹿児島 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 平成生まれのファミコントーク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月25日

平成生まれのファミコントーク #1 ポパイ(by ハラちゃん)

ポパイ
メーカー:任天堂
ジャンル:アクション
発売日:1983年7月15日





(前回の記事はこちら)
最初に紹介するのは「ポパイ」。ファミリーコンピュータと同時に発売されたソフトの1本だ。
同時発売された「ドンキーコング」「ドンキーコングJr」と同じアーケードからの移植作となる。
アメリカで1929年に誕生したキャラクター「ポパイ」を元にしたゲームで、主人公であるポパイはもちろんのこと、その恋人オリーブやライバルのブルートも出てくる。
……とは言っても僕は平成生まれなので、ポパイはあまり身近なキャラじゃない。
テレビのCMとかでたまに見かけたりはするが、「ポパイはホウレンソウを食べたら強くなる」ということぐらいしか知らなかったりする。

でもそれしか知らなくたって出来るほど、このゲームは単純明快だ。
1面では「ハート」、2面では「音符」、3面では「HELP」をオリーブが投げてくるので、それを一定数キャッチすればOK。
どのアイテムにしても、ふわりふわりと時折方向を変えながら落ちてくるので、キャッチはなかなか難しい。
アイテムは高い場所でキャッチすればキャッチするほど高得点だが、一番下まで落ちると一定時間の後に消えてしまう。そうなればワンミスだ。
他にも、「ブルートに触れる」「ブルートの投げる瓶に当たる」「シーハッグの投げるドクロに当たる」「バーナード(ハゲタカ)に当たる」とミスになる。


popeye00.jpg


敵の攻撃を避けながらアイテムを集めていくという点では、ナムコの「パックマン」を始めとする「ドットイートゲーム」の亜種であるが、コミックやアニメでおなじみのキャラクターが見せる動きはとてもユニークで面白い。
その最たるキャラが「ブルート」で、始めのステージでこそ「ポパイを探してうろちょろしてポパイを見つけては瓶を投げる」と言ったボンクラ具合だが、ステージが進むと「ポパイのいる下の段から拳を突き上げて攻撃」「下の段にいるポパイを捕まえようと手を伸ばす」「下の段に突然ジャンプして降りてくる」と言った動きを盛んにしてくるようになる。
そんな中で3面ではハゲタカが襲いかかってきたり、4面以降ではシーハッグがドクロを投げてきたりするのだから避けるだけでも大変だ。

……と思いきや、ハゲタカやドクロ、そしてブルートが投げてくる瓶に関してはパンチで壊すことが出来る。
もちろんパンチをしている間は動けないので、その間にブルートに近づかれると危ないわけだが、こういうちょっとした攻撃手段があるだけで何だか楽しくなる。
また、ステージごとに特別なギミックが用意されているのも特徴だ。
たとえば1面ではパンチボールを殴ると画面中央にある桶が落ちていき、それにブルートが当たるとボーナス点が貰える。


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2面ではシーソーがあり、下の段から一気に上の段に移動するのにかなり便利な移動手段となる。
3面では移動する床があり、これを利用してブルートを翻弄したりしていくわけだが、個人的には「移動する床で加速しながらハゲタカを殴る」のがお気に入りだ。特にボーナス点は入らないけどなんだか楽しい。

でも、パンチではブルートを倒すことは出来ない。ブルートを倒すために必要なのは、そうポパイと言えばまさにこれ!「ホウレンソウ」である。
面ごとに微妙に場所は違うが、画面端にホウレンソウが現れるのでそれに向かってパンチをすると音楽が変わり、ポパイが赤くなる。


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その状態の間に、ブルートが逃げ惑うのを追って触ることが出来れば、ブルートは画面上を跳ね回りながら海の中へ落ちていく。


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この爽快感こそがポパイの醍醐味だ。

ステージが進むにつれホウレンソウの効果時間が減っていくのもいかにもパックマン的ではあるが、逃げながらエサを食べていく中でいざという時にパワーエサをとり逆襲するパックマンと比べ、ドクロやハゲタカ限定とは言え能動的に攻撃する手段が与えられていることが結果的にプレイする際のストレスを軽減しているように思える。
ステージが増えブルートの動きが複雑になるたびに、「どういう動きを見せてくれるのだろう」とワクワクする本作。
疲れた時の気晴らしにプレイしてみるときっと楽しいことだろう。

ちなみに最初に書いたとおり、本作にはアーケード版がある。
こちらがその動画なのだが……





ブルートがオリーブに告白をする場面やハートを集める下りが分かりやすい上、シーハッグが画面端から真っ直ぐに投げてくるためより難易度が高くなっている。
ファミリーコンピュータの性能故なのか難易度調整のためなのか、移植の際に変更されている部分を見てみると趣深い。

(次回は
SNKのアクションシューティングの移植作を紹介。こちらをクリック!)





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posted by BAA at 15:20 | 鹿児島 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 平成生まれのファミコントーク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月21日

平成生まれのファミコントーク #0 序文(by ハラちゃん)



2013年7月15日。
普通の社会人にとってはただのかったるい月曜日であったが、僕らゲーマーにとっては重要な記念日だった。
ファミリーコンピュータ。1983年に発売され、その後約10年にわたり活躍したあのゲーム機の誕生日だからである。
一番最初に買ったゲーム機こそゲームボーイの僕ではあるが、2度目に買ったのはファミコンであるので非常に愛着があるのだ。
だがもう今となっては古いゲーム。加速する技術進歩に取り残されたファミコンは僕の中ではただの想い出で、7月15日がきても僕はただ「お誕生日おめでとうございます」とつぶやくだけだった。

鹿児島県いちき串木野市に「サンゲームス串木野店」という店がある。
ここでは今日日なかなか見ないレトロゲームが稼動しているのだが、僕は最近そこにあった「忍者くん阿修羅の章」というゲームを気に入った。



壁を蹴り縦横無尽にぴょんぴょんと移動する忍者くんの軽やかさにしびれ、爆弾を投げるたびに同時に何体もの敵が倒れ、点数ががっぽり入っては自機が増えていく様子に爽快感を感じた。
今時のゲームは技術の進歩によって、まるで自分が映画の主人公になったかのような体験が簡単に出来るようになった。
だけど、グラフィックも音楽もリアルなどとはほど遠いこのゲームがこんなに楽しく思えるのは何故だろう。

また、忍者くん阿修羅の章を家でも遊びたいと思った。
でも、不器用な僕ではとても業務で扱うような基板なんて扱えないだろう。
ファミコン版ならいけるかも、と思えども何しろファミコンである。
阿修羅の章がゲームセンターに現れたのは1987年。4年前に発売されたファミコンに再現できるものか。
鼻で笑うつもりで僕はYouTubeのプレイ動画を探した。
見つけたのがこちらである。



音もショボければ演出も動きもちと違う。
でもそこには僕が気に入った、忍者くん阿修羅の章が確かにあったのだ。
僕はその時気付いた。ファミコンはゲームセンターで感じたあの夢を、楽しさを!家に持ち帰れる夢の機械なのだと!

今日から始まるこの「平成生まれのファミコントーク」は、平成元年生まれである僕がファミコンのゲームについて紹介し語るだけの企画である。
平成生まれであるため、発売当時のゲーム事情などは知るよしも無いが、色々なゲームを触ってきたなりの考察を書いていきたい。
紹介するゲームは、現在我が家にあるゲームに限定するため、「あのゲームを取り上げないなんて!」と言う思いには応えることはできないと思う。ご了承いただきたい。
また、今回プレイに用いるのは純正ファミコンではなく、Wiiのバーチャルコンソール及びファミコン互換機である。
先日うっかりでニューファミコン(いわゆるAV仕様)を壊してしまったため、手軽にファミコンをプレイするためにはそのくらいしか方法がなかったのだ。
そのかわり、10月中頃まである程度の頻度で更新していきたいと思うので、興味のある方はのんびりとお待ちいただきたい。




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posted by BAA at 12:04 | 鹿児島 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 平成生まれのファミコントーク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
 

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