2009年08月12日

【小説企画】野良犬達のレガシー:ゴブリン退治の謎(1)


 日が明けたばかりの深夜にも関わらず、冒険者達の集う酒場はいつも通りの喧噪に包まれていた。
 怪物達の攻撃から身を守る鎧も、冒険の際の命綱である剣も住み処に置いて、普段着でワイワイガヤガヤ騒いでいる冒険者達は、傍目から見なくともただの酔っぱらいの集団である。
 いつも通りの笑い声、いつも通りの歌声、そして、
「俺が宝箱開けたから悪いってんのか!あぁ!?」
「お前が開けなきゃ罠も作動しなかった!どうしてくれんだよ!俺の剣ボロボロになっちまっただろ!」
 いつも通りの喧嘩光景である。
 普通の人が喧嘩の光景を目の当たりにすると、おどおどするなり、見なかったことにするなりするものなのだが、
「やっちまえやっちまえ!」
「ヘイ!ジャブ!ジャブ!ストレート!」
 酒場の連中は慣れたもので、まだ殴り合いを始めてすらいないのに、戦いの指示を始めるセコンド兼野次馬までもがいたりもする。
 仮にも酒場である上に、また依頼をこなす上で様々なトラブルがある以上、このようなことは日常茶飯事である。
「パーティ全員了解して決めたことだろう!くそっ!表出ろ表!」
「おうよっ!乗ってやる馬鹿!」
 などと幼稚な言い争いの末に、喧嘩の張本人の二人が酒場の扉を開いて外に出ると、
「楽しそうだから見に行こうよ」
「おーい!二人とも武器は無しで頼むぜー!酒の席で人死にが出ちゃあ興ざめだ!」
「ヘイ!ジャブ!ジャブ!ストレート!」
 などと言いながら、ぞろぞろと物好きな野次馬も酒場を出て行く。
 本来なら喧嘩を止めるべき立場の酒場のマスターまでもが、
「さあさ、楽しい賭けの時間だ!参加するやつは金貨100枚!」
 などと言っているのだから、始末に負えない。
 冒険者達は、怒号すらも酒の肴にして楽しんでいるのだ。

 いつもの大騒ぎを眺めながら、リリーはため息をついた。
 リリーの服装は、いかにも金持ちの使用人風な服を着ていた時とはうってかわり、非常に質素で地味な布の服になっている。
 さらに腰にはなけなしのお金で買った剣がつり下げられている。リリーは時折剣の所在を気にしては、さわさわと鞘を撫でた。
「緊張してたのが、バカバカしく感じられる……」
 とつぶやきながら、リリーは机に顔をつっ伏した。
 実は、リリーは明日、冒険者として初めての冒険をすることになっている。
 酒場のマスターからの直々の依頼で、近場の洞窟に住み着いているゴブリンを退治することになったのだ。
 今まで貴族の使用人として生活してきたが、家事はともかく、剣を握るのはもちろんこれが初めて。
 緊張や不安で急に人の温もりやらが恋しくなり、酒場にきたはいいものの、
「嗚呼ー!うつくーしき わーがー故郷よー!」
「ギャハハハハハハハハ!調子はずれにも程があらあ!」
 なんて冒険者同士で盛り上がっているところを目の当たりにしては、かえって孤独感が強まって悲しくなってしまう。
 明日のゴブリン退治で同行するパーティの面々の姿もない以上、酒場に入ったばかりの新入りとしてはどうしても疎外感を感じてしまうのだった。


続きを読む


banner2.gif

ブログランキングです。

本サイトをお気に入りになりましたら、クリックをお願いします。




posted by BAA at 01:48 | 鹿児島 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 未確認物体X | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月08日

【小説企画】野良犬達のエレジー:プロローグ


 木々の生える山で鳥がさえずり、太陽の下で田んぼの稲穂が黄金色に輝く。
 収入をほとんど農産物の輸出に頼り、農民達が質素な暮らしをしながらささやかな幸せを楽しむ。
 そんなのどかな光景が広がる田舎町があった。
 町の作りも質素なもので、道こそ石が敷き詰められているものの、きらびやかな装飾など夢のまた夢と言ったような、実用本位の家々が立ち並んでいる。
 ただ、その中でも1軒。誰もが目を惹かれるような巨大な豪邸がある。この町の名家、「カルタッシュ家」の屋敷である。
 カルタッシュ家は数百年にも渡って続いている貴族であり、町の発展のために私財を寄付したり、時折町の人たちを呼んではパーティを行ったりなどして、街中の人たちからの信頼を集めていた。

 しかし、カルタッシュ家の歴史もある一夜をもって終焉を迎えるのである。
 
 黄金歴133年4月のある日の真夜中。
 カルタッシュ家の屋敷から使用人が一人、まるで何かから逃げているかのように飛び出していった。
 栗色の長い髪をもつ少女だ。両手に持てる限りの荷物を持ち、顔をこわばらせながら全速力で走っている。
 時折、後ろを気にして振り返り、思いを振り払うように首をぶんぶん横に振っては、前に向き直す。
 少女は、そんな動きを繰り返しながらも、ほとんど足を休めることなく、故郷の田舎町を離れ、野を越え、山を越えて、ただただ走り続けた。
 少女が屋敷を飛び出してから何時間経ったのだろうか。やがて、地方一の都市にたどりついた。
 長時間走り続けたことによる疲れを気にすることなく、少女は焦りを隠せない様子で周りをきょろきょろと見回した。
「はぁはぁ……。はぁはぁ……。どこか! どこか隠れられるような場所!」
 細い道へ、出来るだけ細い道へと、少女は走っていく。
 まだ日が昇る前の時間帯。
 周りにある建物はすべて灯りがついておらず、静寂の中で少女の足音だけがやけに目立っていた。
 大男が剣を抱きながら眠っているのを避けながら、細い路地をずっと進んでいくと、煌々と灯りがつけられている建物を見つけた。
 建物の中からは夜中にも関わらず、男達の楽しげな笑い声や歌声、それに喧嘩でもしているのか怒鳴り声までもが聞こえてくる。
 その建物の扉の上には、「BAR」の看板が付けられていた。
 少女は少しとまどうような表情を見せたが、
 「……生きるために」
 そうつぶやいて、意を決した表情で、扉の取っ手に手をかけた。

――カランコロン。

 【続く】



banner2.gif

ブログランキングです。

本サイトをお気に入りになりましたら、クリックをお願いします。




posted by BAA at 23:14 | 鹿児島 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | 未確認物体X | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月07日

【新企画】野良犬達のエレジー【続けばいいね!】(by ハラちゃん)


ある建物の扉を、憮然とした顔の若者が荒々しく開けた。
カランコロン。
ある建物の扉を、にやけ顔の中年の男が快哉を叫びながら開けた。
カランコロン。
ある建物の扉を、傷だらけの少女が身を預けるようにし、体重をかけて無理矢理押し開けた。
カランコロン。

開けた時に軽快な音を響かせる割には、その扉はやけに重々しい雰囲気を放っている。
それもそのはず、この扉の先は冒険者達が集う酒場なのだ。
一攫千金を狙う者が、弱者を救わんとする者が、平凡な生活に飽きた者が、「英雄」の名を求める者が、
掲示板に依頼状が貼られるのを今か今かと待っている。
怪物退治の依頼でもする用があるのだったら、一回表口から行ってみるといい。
どこか浮かれているように見えて、その実殺伐としている雰囲気が、貴方の居心地をとことん悪くさせることだろう。

街灯以外には頼る灯りのない闇の中、
虫のたかる街灯に淡く照らされながら、酒場の扉の前でうろうろしている人間がいる。
時折、ちらりとらりと扉を見ては、通りすがりの振りをしている様子を見ると、
酒場に入る勇気がまだ無い、新入りにすらなってない冒険者(仮)、と言ったところだろうか。
なけなしの金で買ったらしい新品の剣を腰に付けてはいるが、
冒険者達が酒場の扉を開けるたびにビクビクしている。

酒場の前を通りすがろうとし始めてから、約1時間半。
やっと覚悟を決めた彼女は、キリリと顔を引き締め酒場の扉をノックする。
そして、扉の前で立ち尽くす。中の人が扉が開けてくれるのを待っているらしい。

酒場の中は宴会状態。そんな小さなノック音では、誰も気づくことはないのだが。


【企画説明】
「The Golden Lore」を基にした小説企画です。
The Golden Loreとは、ASHコーポレーションがサービスを行っている、
ブラウザとメール受信環境さえあれば楽しめる自動更新型育成シュミレーションゲームです。
ファンタジー世界を舞台に、怪物を倒したり物を探したり、冒険者達が様々な依頼をこなしていきます。
プレイヤーはキャラクターを作成し、受ける依頼の方針や装備などを設定するだけで、
勝手にキャラクターが怪物討伐などの依頼を受けては実際に挑戦。
一日一回送られてくるメールや、公式サイトでその結果を知ることができるので、
自分で手を下すのは嫌だけど、ゲームっぽいのはしてみたいというズボラにはうってつけです。

ただ、The Golden Loreの結果を基に小説を書く、というだけの企画なので、
実際にThe Golden Loreの設定とは大きく食い違う可能性もあります。というか、食い違います。
なので、「俺の知ってるThe Golden Loreじゃないやい!」と怒っちゃいそうな方は気をつけてください。
また、The Golden Loreの仕様上、主人公が突然死する、特に大きな見せ場もなく引退するなど、
企画潰しの状況が多々起きることが考えられます。
もしも、キャラクターが死亡・引退した場合は、新規キャラを作り、主人公を変更するという形で続行します。
The Golden Loreにおいては、キャラクターが2日目にしてお亡くなりになるのも日常茶飯事なのです。
もし、実際にそうなってもアタイ泣かない。

ちなみに、基本的に2〜3日に1回更新です。
また、キャラクターは最初に数人登録しております。
そのうちの誰かが死亡・引退した場合、足りない人員を補充すると言うことになるのかも。

【企画期間】

夏休みが終わるまで Or 心が折れるまで

【備考】
始める前から心折れそう
あと、文章を書く練習のための企画みたいなものだから、内容が変でも気にしないでね!



banner2.gif

ブログランキングです。

本サイトをお気に入りになりましたら、クリックをお願いします。




posted by BAA at 00:36 | 鹿児島 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 未確認物体X | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月26日

"I'm a gamer!"特別編 『時空の旅人』(by ハラちゃん)

ゲームバブルでは様々なメーカーが登場し、そして消えていきました。
ゲームバブルで生き残ったのは本当に一部のメーカー。
運良く、ユーザーに愛されるゲームを製作できた、任天堂・セガなどを始めとする大手がほとんどでした。
しかし、あまりパッとしたイメージもなく現在も生き残っているゲーム会社は存在します。今回紹介するゲームを作った会社、「ケムコ」(正確にはコトブキシステムですが、ブランド名の方が明らかに有名なので・・・)です。
当時から、海外ゲーのローカライズを中心に活躍したケムコ。ファミコン時代では「スパイVSスパイ」などを発売して人気を博しました。実は、「スパイVSスパイ」ぐらいしか売れたゲームを知らないのですが、とりあえず他のゲームも人気を博しました。
このケムコも、ファミコン時代、歴史に関するゲームを作っていたのです。

それが、今回紹介する「時空の旅人」。
プレイヤーはこのゲームの主人公「クタジマ-トシト」となって、COI(CONSTABLE OFFICIAL INTERCEPTER)というタイムマシンのようなものを駆り、時空を旅することになります。

続きを読む

banner2.gif

ブログランキングです。

本サイトをお気に入りになりましたら、クリックをお願いします。




posted by BAA at 16:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 未確認物体X | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"I'm a gamer!"特別編 前書き(by ハラちゃん)

はい、どうも。更新するなんて言わなきゃよかった、ハラちゃんです。
今回投稿します記事は、オフライン版(身内用に作ったもの)5656チャンネルにおいて、様々なゲームを紹介していたコーナー「I'm a gamer!」の、特別編となります。
異様にややこしい背景ですが、「I'm a gamer!」自体はここに掲載される事はたぶん永遠に無いと思われるので、「ああ、そんなこともやってたんだなあ」的な雰囲気で軽く流してもらえるとありがたいです。
この記事は、知人に「歴史関係のレトロゲームとか無い?」と頼まれて書いたものですので、いささかやる気もなくグダグダな感じではありますが、(今日公開する記事はスベったけれども)知人をある程度満足させることができたので、個人的にはよかったなと思いつつ、さっさと毛布かぶって眠りたいな、と思う所存であります。

今回は都合上、どうしても画像を使わないといけなかった関係で、当サイトでは珍しくゲーム画像を使用しております。
権利者各位の皆様、問題がある場合は連絡をお願いします。ただちに、問題のある画像の削除などの処置をしたいと思います。

それでは、まもなく投稿いたしますので、のんびりとお待ち下さいませ。

banner2.gif

ブログランキングです。

本サイトをお気に入りになりましたら、クリックをお願いします。




posted by BAA at 15:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 未確認物体X | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月21日

世界の終わりで、君とワルツを。(0- 1:1)(by Snaga)

0

私は小説を書く。
想いを言葉にして、声を文字にして。
そうして少しでもこの心が救われるように。
頭の中の登場人物たちのシアワセをただ願って。

でも、ふと気づく。

私は一人だった。
笑っているヒーローとヒロインを書きながら。
私は独りきりだった。
そのことに気づくと、もう小説を書く気分にはなれない。
「…あぁ〜、やめやめ」
こうなってしまっては、もう一旦休憩。気分転換だ。
「ハッピーエンドになるはずなのに…」
そうつぶやき、書き上げたテキストを見る。



君は言った。
「バイバイ」
と。
それは今までに何度も交わした言葉。
別れを惜しみつつ、それでも明日また会えることを願って。
だけど。
あの日はとても悲しげで。
「バイバイ」
そう応える僕も、涙をこらえていた。

君と何度も交わした「バイバイ」を、
「またあした。」に置き換えたなら。
僕らいつまでも、いっしょにいれただろうか?



「ほら、また悲しくなる」
だから私は、決めた。
少しだけ心が痛むかもしれないけど。

いっそのこと、悲しい話を書いてしまおうと。




1:1
『始めまして。新藤啓介といいます。高校3年生、18歳です。
 先生の小説を購読し始めたのは、2年ぐらい前の事だったと思います。雑誌で自分と同い年の人が新人賞を受賞したという記事を見て、一体どんな小説なのか気になって・・・というのがきっかけです。』

「・・・っと、こんな感じでいいのか?」
 一旦持っていたシャーペンをおろして書いた文章を読み返す。うん、特におかしなところはないけど・・・。
「少し堅すぎるかな・・・。いや、初対面で軽い人間だと思われるよりいいか」
 そうつぶやき、またペンを持って書き始めた。


   *


 子供の頃から本を、とりわけ物語を読むのが好きだった。友達が外で遊んでいる時も、家でゆっくり本を読んですごした。中学になってからは、親父の愛読本コレクションを、かたっぱしから読み漁った。内容としてはミステリが多かった。親父の趣味や傾向ってのは偏ってて、全部1回読んだら飽きたけど。
 そうして高校に入って、僕はただ読むだけでなくて、書いてみたいと思うようになった。本を読みながら抱いた空想を、自分の文章で描きたくなったのだ。
 僕は、ある出版社が企画した「小説大賞」とやらに自分の物語を応募した。3ヶ月かけて書いた大作だ。結果は、ほんの少しの期待を裏切って第二次選考止まりだった。まあ、その程度の実力だったということだろう。
 ただ俺は自分の結果以上に気になることがあった。俺が応募したそのコンクールで見事大賞を取ったヤツだ。


 谷口 裕樹 (16)


 僕と同い年だった。学年で言えば同じか一つ下か。そいつが一体どんな物語を書いたのか気になった僕は、そいつの本が出るとすぐに買って読んだのだった。
 内容はまあ、よくあるといえばよくある、大切な人を失った少年の成長を描いた物語だった。それでもその詩のような文体は、切なさを感じさせるには十分だった。
 それが多くの読者をひきつけ、ベストセラーとまではいかないが、その若さゆえに騒ぎ立てられたりして。俺もその騒ぎ立てたうちの一人ってことだ。
 だから僕は生まれて始めてのファンレターを出すことにした。
 そして今にいたるわけだ。


   *


『これからも頑張って下さい。
 次回作も楽しみにしています。』
 
「・・・これでいいか」
 俺は思わずため息をひとつ。なれないことをすると緊張する。
「明日、学校帰りにでも出しに行くか」
 さて用も終わったことだし、今日は早く寝ることにしよう。
 

banner2.gif

ブログランキングです。

本サイトをお気に入りになりましたら、クリックをお願いします。




posted by BAA at 23:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 未確認物体X | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月28日

そして終わりへ『旅立ちの日に』最終回

告白したが残念ながら振られてしまった主人公。
今日は旅立ちの日。
このまま終わってしまうのだろうか。
いまだに失恋モノの小説しか書いたことがない作者の、
やはりバッドエンドかもしれない『旅立ちの日に』
季節はずれでもかまわない。
罵られてもかまわない。
生きてさえいれば、きっと。
希望は生まれるのだから。で、最終章。

banner2.gif

ブログランキングです。

本サイトをお気に入りになりましたら、クリックをお願いします。




posted by BAA at 00:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 未確認物体X | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

空白の20日間『旅立ちの日に』第二回

なんか20日間も放って置かれいた…
実は引越しのときに落としてしまったらしく、何とか思い出しながら書き上げたこの作品。
続編となっていますので、4/4更新『キリどころの…「旅立ちの日に」第一回』を読まれることをお勧めします。
というか、読まないと話の流れがわからなすぎ…。それでは本編へ

banner2.gif

ブログランキングです。

本サイトをお気に入りになりましたら、クリックをお願いします。




posted by BAA at 00:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 未確認物体X | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月04日

キリどころが分からない連載小説『旅立ちの日に』第1回(by Snaga)

0
君の笑顔で、
君の声で、
僕の心はいっぱいになった。
もし君がいなくなったなら、
残るのはきっと。
すきま風が吹き付ける、からっぽな僕だけ。


1
五日後に、僕はこの街を離れることになった。
行き先は遠く遠く離れたところで。
頻繁に帰ってくるには金と時間に余裕がない。

そんな僕や同様に遠くに行ってしまう友人のため、最後にお別れ会が開かれることになった。

「で、お前どこに行くんだっけ?」
「たまにはこっちにも帰ってくるんだろ?」
「一人暮らしできんのか? お前みたいなヤツでも」
「まあ死ぬなよ」
次々に声をかけてくれる友人たち。
別にこれが一生の別れというわけではない。
涙なんて無縁。
今までは一緒にいれたけど、もうこれからは別々の道を歩いていくわけで。
交わす言葉にはほんの少しだけ、寂しさが混じっていた。
それを紛らわそうと、冗談を言って、笑って、そうやって騒いで。
でもやっぱり心の中では心配している。
旅立つ友のことを。

あっという間に時が経ち、そろそろ解散の時間が迫っているとき。
1人の女子が僕のところにやってきた。
「篤も都会のほうに行くんでしょ?」
「ああ、そうだよ」
彼女の問いに僕は応える。
親しいってほどではないけれど、たまに話をすることがある娘で。
友達、そのカテゴリが一番あてはまっていたのだけど。
「頑張ってね」
彼女が去ろうとした途端、急に胸が締め付けられるような気がした。
「あ、えっと……そっちはこれからどうするの?」
引きとめようとして何とか言えたその言葉。
「わたし? わたしは地元だよ」
「そうなんだ。結構残るヤツって多いんだよね。うらやましいよ」
なぜ僕は彼女を引き止めたのだろう。
しばらくしてから去っていった背中を見ながら、自分自身に問いかけていた。


その夜。
彼女の姿が頭から離れないでいた僕は、布団にもぐりこんでからも眠ることができなかった。
彼女の笑顔が。
彼女の声が。
僕の胸のうちを占めていた。
ああ、どうしてだろうか。

僕は今、この瞬間、まぎれもなく。
彼女に、恋している。

自分でもそれには気づいていた。
ホントに、どうしてだろう。
なぜ彼女を好きになったかじゃない。
そんなものに理由などあるはずが無いから。
どうして。
どうして『今』なのだろうか。
旅立たなければいけない日が目の前に近づいているというのに。
報われない。
この恋は報われない。
前を向けば君との間には時間と距離。
それはあまりにも高すぎる壁だ。
少なくとも、彼女とは違う日常を生きている、僕には。



2
旅立ちの日が四日後に迫る、その日。

僕は何事も無かったかのように、荷造りに専念していた。
無理やり心を向こうでの新生活に向けていた。
そうでもしないと、考えてしまう。
見知ったこの街を、君と一緒に歩いたり。
『会いたい』からと、夜中の公園でただゆっくりと、同じ時間を過ごしたり。
いつだって、君の笑顔が見たい、と。
はかない夢物語に想いを馳せてしまう。
それは手を伸ばしたって。
掴むどころか、触れることさえもできない。
ただ遠くから眺めているだけ。
僕はあまりにもちっぽけだから。

その日は朝から晩までそうやって時間をつぶした。

banner2.gif

ブログランキングです。

本サイトをお気に入りになりましたら、クリックをお願いします。




posted by BAA at 17:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 未確認物体X | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月13日

「すこし不思議(SF)な物語」#3 『独裁者スイッチ』(by Snaga)

何もかもが懐かしい。
例えば、二人笑って過ごした日々。
例えば、手をつないで歩いた並木道。
例えば、特に意味も無く交わした電話やメールの数々。

本当に何もかもが懐かしい。

僕が彼女と付き合っていたのはほんの3ヶ月だけだった。
付き合ったきっかけは僕が彼女に告白したから。
別れたきっかけは彼女が僕を振ったから。
本当に短い時間だったと思う。
最後の電話が切れた夜、布団にもぐって泣くのをこらえようとして。
それでもやっぱりこらえ切れなくて、その日は眠れなかった。
でも、そんな悲しみもいつしか消え。
僕には今、大切だと、守りたいと思える人がいる。
おかげでもう、彼女の事を思い出す日も少なくなった。
彼女がいなくても、僕は元気でやれているつもりだった。

でも、彼女にとってはそうじゃなかったのだ。

彼女と別れてからちょうど1年たったある日、僕は彼女に呼び出された。
そこは帰宅途中によく寄っていた、小さな公園だった。
僕が着いたときにはもう、彼女の姿があった。
懐かしい再開の瞬間だった。
…それでも僕にはそうは思えなかった。
おかしい。
何かがおかしい。
公園には彼女以外に、誰も居なかった。
それだけだったらまだよかったのだけど。
ここへ来る間も、誰にもすれ違わなかったのだ。
耳を澄ましてみても、何の音も聞こえない。
町の喧騒や、子供たちのはしゃぐ声も。

「消したのよ」

それが彼女の第一声だった。
「邪魔だったから、消したの」
ひどく恐ろしい声。
彼女は普通にしゃべっているだけなのに、その声はなぜだかよく響く。
「…なんで」
一体なにを消したと言うのか。
「他の人がいたら、あなたはそっちに行っちゃうでしょ」
彼女は笑っていた。
恐ろしい笑みを浮かべていた。
「だから消したの。私と、あなた以外の人を」
「…どうして」
「これで、あなたはもうどこにも行かない」
それから少し悲しげな顔をして。
「さびしかったわ、この1年間。毎日あなたの事ばかり考えてたの」
「私はあなたを振った。それはあなたが私の事を見てくれなかったから」
それはただ単に恥ずかしかったから。
「だけど、後悔したわ。やっぱりあなたの事を諦めるなんて無理なことだった」
「私はあなたによりを戻そうって伝えるつもりだった」
「だけどその時聞いたわ。あなたにはもう他の女がいるって」
そして睨みつけられる。刺さるような視線。
しかしその後、彼女はまた笑って。
「これ、『独裁者スイッチ』っていうらしいの。嫌いな人を消せるのよ」
そのスイッチを僕に見せるようにした。
「もう世界には私たち以外誰も居ない」

私とあなた、2人だけ。

彼女は口に出していないのに、伝わってくるような。
「ねえ。好きよ、心の底から」
勝ち誇ったような笑みを浮かべて彼女は言った。
「あなたはどうなの? 聞かせて?」

此処は彼女が支配する世界。
誰も彼女に逆らえない。
だから僕は…。

「ごめんね。他に好きな人がいるんだ。君よりも大切に思える、ね」

言った瞬間、少しだけ心に痛みがはしった。
そして彼女の表情も一変する。
「どうして…どうしてよ、ねえ………どうしてよ、ねえっ!!」
だんだんとヒステリーになっていく彼女を見ながら。
僕はあくまで冷静に、言う。
「もうとっくに終わってるんだよ、僕たち」

もう、交わることは無い。
僕の進む道と、君の進む道は、決して。
『さよなら』
あの時君が最後にそういった瞬間、僕と君のいた世界は崩壊してしまったのだから。

彼女は泣き崩れた。
持っていた『独裁者スイッチ』とやらが地面に転がり、止まる。
僕は前に進み、それを手にした。
そして。

「ありがとう。だけど君の世界に、僕はもう居てはいけないんだ」

自分の名前を唱え。
スイッチを押した。

そして、消滅。
僕は彼女の世界から、跡形も無く消えた。



公園にはただ、少女の泣き声だけが、響いていた。















…これは病ンデレじゃない…病んでるだけだ…。
というわけで、誕生日おめでとう、urkさん。(実名じゃないからいいよね)
書いてはみましたが、あまりにも暗すぎて…。
まあ主人公が殺されなかっただけでも許してください。
えっと、誕生日にカンケイなしに読んでくださったアナタ。
ドラえもんは子供たちに夢と希望を与えてくれる漫画です。
健全な少年漫画ですので、どうぞ購入してみてください。
今回は外伝ということで、どうかよろしくお願いします。
















banner2.gif

ブログランキングです。

本サイトをお気に入りになりましたら、クリックをお願いします。




posted by BAA at 16:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 未確認物体X | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月05日

『すこし不思議(SF)な物語』 #2『ペコペコバッタ』(by Snaga)

この世にはウソが蔓延っている。
もちろん人間というものはウソをつくもので、僕だって数え切れないくらいのウソをついてきた。
だから、直してやろうと思った。このウソに満ちた世界を。
この『ペコペコバッタ』という道具は、取り付かれた人間が自分の悪を反省してペコペコ謝らせるらしい。
さっそく使ってみた。
そしたら思った以上に広範囲に広がって、しまいには町中が『ペコペコバッタ』の餌食になった。
今まで犯してきた罪を謝ろうと、西へ東へ走る人々たち。
それを見て、僕はいいことをした気持ちになっていた。
これでみんなウソをつかなくなるぞ、と。
だまされて、悲しむことももうなくなるんだ。
すばらしいことをしたはずだった。
だけど。

今もなお走り続けている人たちを眺めていたとき、僕のところにも訪れる人がいた。
「ごめん。この間の映画の約束、俺さ家の用事があって行けなくなったって言ったけど」
そいつは挨拶もそっちのけで言った。
クラスメートで、結構僕と仲のいいヤツだった。
「あの日、本当は他の友達の家に行ってたんだ」
それだけ言うと、さっさと行ってしまった。
そしてそれからすぐに次の人が来た。
最近付き合い始めた彼女だった。
「あんたから告られて、あの時はOKしたけどさ」
ああ……やっぱり
「ほんとはあんたのこと好きでもなんでもなかったんだ。ただ暇つぶしになるかなって」
ショックを受けて動けずにいる僕を尻目に「じゃあ」と僕から離れていった。

しばらく、僕はその場に立ち尽くしていたままだった。

こんなことになるくらいなら『ペコペコバッタ』なんて使わなければよかった。
ああ、この世界はウソで満ちている。
そしてうまい具合にそれでつり合っているんだ。
ぎりぎりのところでバランスを保っている。
僕はそれを自分の手で揺らして、見事に倒してしまった。
これじゃ、何も知らないほうがよかった…。

後日。
コショウを振りまいて、『ペコペコバッタ』を回収した。
それでも世界はまだギスギスしていた。
それは僕の周りでも違いなく。
仲のよかったあいつや彼女とは、あの日からまったく話せなくなった。
それどころか、他のヤツともなんだか付き合いにくくて。
ウソで満ちていた世界のほうが、安心で、優しかった。
ウソで満ちていた世界のほうが、安心で、優しいなんて。
いつから世界は狂ってしまったんだろう。

ウソでいい。
ウソでいいから、誰か僕に安心と優しさをください。














…というわけで『#2 ペコペコバッタ』でした。
第1巻『ペコペコバッタ』より。
ほんとはハッピーエンドにするつもりだったんですけど…これは見事なまでにバッドエンドですね。
知らなかったほうがよかった、ってよく後悔するんですけど。
センター試験があと2日後とか。(←これマジです)
知らなかったほうがよかった。
こんなとき『タイムマシン』があったら・・・ってよく思います。
さて、鬱になるのはこれくらいにしましょう。
たぶんあと2つ、1巻からの登場になると思います。
結構楽しかったり。それでは。


banner2.gif

ブログランキングです。

本サイトをお気に入りになりましたら、クリックをお願いします。




posted by BAA at 14:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 未確認物体X | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『すこし不思議(SF)な物語』 #1『タイムテレビ』(by Snaga)

そのテレビには僕の姿が映っていた。
それを見て思わず、
「こんな頃があったんだな」
と、感傷に浸ってしまう。
そして次々に映る見慣れた顔。
でも最近見てないな。こいつらみんな今頃どうしてるんだろうか。
クラスを仕切っていたまじめなヤツ。
ちょっとエロい話になるとテンションを上げるヤツ。
少し悪ぶってるけど、根は純粋なヤツ。
いろいろなヤツがいた。
だけど、テレビ映るそいつらは、みんな笑ってる。
楽しそうに笑ってる。
楽しそう、じゃなくて楽しいんだろう。
楽しかった。
あの頃は毎日が楽しかった。

だから。
いつの間にか僕が泣いているのは。
きっとそのせいだ。
あの頃が幸せすぎたんだ。
幸せすぎて、それに気づかなかったぐらい。

どうやったって。
どうやったってあの頃には戻れない。
僕は…僕らは、もう大人になってしまった。
それは仕方が無いこと。
それは生きているということだから。
「出会いがあり、別れがある。生きるってのはそういうこと」
そう言ったのは誰だったか。
今、僕にはあの頃とは別の、気の会う友人がいる。
それは、僕だけじゃなくて、他のみんなもそうなんだろう。
みんなそれぞれから旅立ったのだ。
そして新しい生活の場を見つけた。
みんなそれぞれが、今を一生懸命生きている。

それにしても、このテレビに映っていることは本当にあったんだろうか。
まるで夢物語だ。
何かのドラマみたいだ。
それぞれが役を演じて、青春してる。
そんなことを思ってしまう。
…でも、そうじゃない。
僕らは確かに演じていた。
自分自身を。
自分自身の書いたシナリオどおりに。
あの頃はそんなこと思ったことも無かったけど。
『自分』なんてものを知らなかったけど。
無意識のうちに、自分で自分の行き先を決めていたんだね。
そして、それが今の僕につながった。
ここまでこれたんだ。

さて、こんな感傷に浸るのはもうやめにして。
そろそろ戻ろうか、僕らの日常に。

演じようか、僕らの人生を。














…というわけで、『#1 タイムテレビ』でした。
ドラえもん単行本第1巻『ドラえもんの大予言』より。
この企画のためにもう一度読み直しているところですけど、まさかタイムテレビで未来の自分を画面上じゃなくて、ホログラムのように映し出せるとは…。そんな設定があったんですね。
これは結構忘れちゃってるかもな。
果たしてドラえもんファンを名乗っていいのか心配になってきましたが、すみません、もう一度勉強しなおします。
さて、次回は。
たぶんもうちょっと第1巻からになると思います。
最終巻の第45巻までいけるかわかりませんが、お付き合いのほどよろしくお願いします。



banner2.gif

ブログランキングです。

本サイトをお気に入りになりましたら、クリックをお願いします。




posted by BAA at 14:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 未確認物体X | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

不定期連載小説『交換日記』最終話(by Snaga)

 彼女の言葉は、俺の心を締め付けた。

 7月1日(金) 天気:くもり
  交換日記、悠くん、OKしてくれました。正直ほっと   
 しています。というわけで私は記念すべき第1日目を   
 書いているわけですが…。
  来年の6月30日が一周年なんですね。そんなこと  
 を考えるとついつい昨日の事を思い出しちゃいます。  
 うれしいです、悠くんとそういう関係になれて。本当
 にうれしいです。
  さて、一年後、私たちがまだ一緒にいることを願って                                          
 今日は日記を閉じたいと思います。  

 
 こうして読んでみると、何度も留美が書き直した後がわかったりして、一生懸命書いてくれたことを、とてもうれしく思った。
 でも、同時に自分が泣きそうになっていることにも気づいた。
 これは思ったよりかかるかなと思いながら、俺はページをめくっていった。

 2時間ぐらい経っただろうか。俺は留美の日記を読むことに痛みを感じていた。

 10月3日(月) 天気:雨
  受験勉強か。とっても大変で疲れます。今日も教室
 で勉強をしてきました。まあ、夕君と一緒にいれたか
 らいいけどね。
  悠くんは結構高いレベルの高校をねらっているみたいだけど、私も一緒に行きたいな。だから、がんばらないと。
  もうちょっと勉強してから寝ることにします。


 10月4日(火) 天気:晴れ
  今日、数学のテストがあったけど、悠くんはできたの 
 かな。最近お互い忙しくて、あまり一緒に帰ったりも
 できないけど、今度うちで勉強に誘ってみようかな。
  というわけで、明日早速誘ってみることにします。それでは、おやすみなさい。

 
 留美の日記に俺の名前が出てこない日はなかった。
 悠くん。
 彼女が書いた優しい柔らかな文字。
 それを目にするたび、息ができなくなるほど締め付けられて。
 彼女の文字が、もうすっかり忘れてしまったと思っていた彼女の声になって伝わって。
 ごめん。
 ページをめくりながら、何度そうつぶやいただろうか。 俺は彼女の事を一番に思えなかった。
 彼女が俺を思ってくれるほど、それを返すことができなかった。
 さて、あと1日で終わる。
 7月1日から始まり、10月5日で終わる。
 彼女と過ごした95日間。
 俺は、ページを、めくった。 


 10月5日(水) 天気:晴れのちくもり
  ねえ、悠くん。今日は悠くんと話せなかったね。昨
 日、あんなに決心したのに。最近そんな日が何度も続」
 くことが多くなりました。
  嫌われちゃったのかな。そう思うと勉強をする気も
 しません。ちょっと疲れちゃったなぁ。
  これをあとで読む私へ、そして悠くんへ。
  私は、悠くんのそばにいますか?
  怖いです。私のそばから悠くんがいなくなるのが。
  ねえ、悠くん。会いたいよ。


 引き裂かれるようだった。
 痛みが胸に走った。
 ほほを涙が伝わった。
 「…………くそっ…」
 そして怒りで染まっていく。
 何であの時俺は彼女に接してあげなかったのだろうか。
 『会いたいよ』
 彼女の声で届いてくる。
 それはとげのようで、あの頃の罰を受けている気持ちになった。
 「くそっっ!!」
 おもわず、声張り上げた。
 その途端、後悔の気持ちが押し寄せてきた。
 何をしていたんだろう。
 こんな気持ちになると知っていたなら、あんなことにはならなかっただろうに。
 机の上に積んであった本を壁に向けて思いっきり投げつけた。
 だんっ!
 本は壁で反射してすぐ下に落ちた。
 もうだめだった。
 俺は気が狂ったように、その辺りにあったものを投げつけた。
 書類を。
 CDを。
 目覚まし時計を。
 何か物に当たることしかできたい自分に、さらに積もっていく怒り。
 ああ。俺は彼女につらい思いをさせたままだったんだ。
 彼女はこの日記を遺書にして、死んでしまったんだ。
 もう、何も考えられなくなった俺は、留美の日記を手にして、それもまた、投げようとした。
 
 でも、俺には投げることができなかった。
 思いっきり抱きしめる。
 うすい、立ったノート一冊分程度の厚み。
 それでも、そこに閉じられた彼女の思いは、あまりにも大きすぎて。
 彼女の文字が、声になって。
 彼女の声が、優しさになって。
 その優しさが、ぬくもりなって。
 一度も抱きしめたことがない留美のぬくもりを、俺はその時必死に求めていた。
 
 ねえ、留美。
 俺ももう一度留美に会いたいよ。
 ごめんねって言いたいんだ。
 それから、ありがとうって。
 許してくれないかもしれないけどね。
 ほんとに、ごめん。
 ほんとに。
 あいたいよ。あいたいよ。
 

 
 そのまま眠ってしまったようで、気づいたら朝になっていた。
 顔になんとなく違和感を感じるのは、涙を流していたせいかも知れない。加々見で確かめてみると、笑えるくらい酷い顔だった。
 いつものように、仕事に向かう準備をする。
 少し少なめの朝飯を食べ。
 俺は部屋を出た。
 
 ねえ、留美。君がいない世界でぼくはどうやって生きていけばいいのかな。
 
 5年目にしてやっとで気づいた。毎日のように留美の事を思い出して生きてきたから、まるで本当に留美がそばにいるように感じていた。
 この世界に、君は確かにいないんだ。
 でも、心の中にいる。
 ぬくもりと、想いとにつつまれて。


 会いに行くよ。
 会いに行くよ。
 君を想う日々が重なって。
 君と共に過ごすいつかにつながったら。
 会いに行くよ。
 言いたいことがたくさんあるんだ。

 
 だから、会いに行くよ。 


banner2.gif

ブログランキングです。

本サイトをお気に入りになりましたら、クリックをお願いします。




posted by BAA at 14:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | 未確認物体X | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月15日

不定期連載小説『交換日記』第3章(by Snaga)

 その夜、俺は少し早めの就寝についた。明日からはまた仕事の日々だ。体力を回復しておかないと。
 枕もとの電気を消そうとしたとき、あの『Diary』と書かれた日記が手に当たった。きっと美雪がここに置いたのだろう。
 手に取り、表紙を開いてみる。日記は「7月1日」から始まっていた。
 蘇ってくる風景。
 今となっては、当たり前のようになってしまった感覚。
 誰もいない教室に俺と留美の2人だけがいて。
 『好きです。付き合ってください』
 突然のそんな言葉に、俺の頭は真っ白になって。
 結局その時は何も言えないまま。答えを留美に伝えたのはその日の夜、電話で。
 「こちらこそ」
 その日が6月30日で、明日は7月1日。
 夏と共に来た、俺たちの始まりだった。 
 
 俺はその日の日記を読み始めた。

 
 7月1日( ) 天気:
  
  留美の提案で今日から日記を書くことになった。なんだか本当に恋人みたいだ。いまだに信じられない。
  今日あったこと。
  昨日の今日だというのに、クラスの大半に俺たちの事がばれているようだ。今までは人の色恋沙汰にひやかしをいれていたのに、まさか自分の番が来るとは思わなかった。
  これから、うまくやっていけるかわかんないけど、がんばろう。


 俺は一旦、日記を閉じた。
 …この時の俺は、まさかあんな形で留美を失うとは思っても見なかっただろう。そしてこんな感情を留美に抱くとも。
 もう一度、日記を開く。
 今夜は、これを読み終わってから寝ることにしよう…。


 それから軽く1時間が経過した時には、ページも四分の一くらい進んでいた。
 その間に、夏休みが始まり、終わり、そして新学期が始まった。
 夏休みはまあ受験生だったので、勉強のことをよく書いていた。留美と一緒に勉強したことも書いてあったりして、覚えていないことも多かった。
 それでも夏祭りのあった日の事は今でも覚えていた。俺たちは2人きりじゃなくて、クラスメートの何人かとつるんでいたのだ。誰が居たかも書いていたあったので、そいつらの顔を思い出しながら読むんでいると、懐かしい気持ちになった。
 

 10月3日( ) 天気:
  今日は雨が降っていたので、教室で留美と勉強した。
 夏休みの間に志望校は決定したので、あとはがんばるだけだ。がんばろう。

 
 次のページへ。

 10月4日( ) 天気:
  今日の数学の小テストは難しかった。70しか取れな   
 かったのは正直悔しい。俺の場合、数学が点数の取り     
 どころだから90は欲しいのだが。がんばろう。


 10月5日( ) 天気:
  眠たい。最近寝不足気味だ。授業中にも寝てしまった。以前は気にしなかったけど、受験もあるので気がぬけない。今日は早く寝ることにしよう。


 次のページへ。


   月 日( ) 天気:

 「あ?」
 そこで日記は終わっていた。 
 前に戻って日付を確かめる。
 10月5日。
 留美の命日だ。
 そんな日に俺は何をのんきに眠っていたのだろう。
 何かができたわけでもない。
 それでも何もできなかったことに、俺はすんなり胸を通らないような、もどかしさを感じていた。
 「もう12時か」
 それでもいつもより早いが、俺は眠ることにした。
 眠気が回るまで、そのもどかしさはなくならなかった。
 
 
 美雪からの宅配便が来たのはそれから1ヵ月くらい経ってからだった。それは少し大きめの茶色の封筒で、その中に一冊のノートのようなものが入っていた。
 表紙には『Diary』の文字。
 俺が持っているのと色違いのそれは、留美の日記だった。
 一緒に入っていた手紙には、
『留美のおばさんに頼んで探してもらいました。
 迷惑かもしれないけど、あんたはこれを読むべきだと思う。留美が居なくなるまでどういう風に生きてきたのか。あんたには知る義務があるの。』
 と、書いてあった。

 さて、その夜。もう時計も24時を回って、俺は明日のために眠ることにした。
 机においてあった留美の日記を手に取る。美雪もあんなふうに書いていたし、留美がどんなことを書いたのか気にもなっていた。
 しばらく考えて、俺は読むことにした。まあ1時間ぐらいで読み終わるだろう。
 そんな甘いことを考えながら。

banner2.gif

ブログランキングです。

本サイトをお気に入りになりましたら、クリックをお願いします。




posted by BAA at 15:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 未確認物体X | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

不定期連載小説『交換日記』第2話(by Snaga)

 二日後。俺は自宅に戻っていた。昨日の夜、飛行機でこっちに帰ってきたばかりで、今日までは仕事を休むことにした。やらなければいけないことはすべてやっておいたから、多分大丈夫だろう。今日は1日ゆっくり休むことにしよう……。
 ぐぅ。


 それから30分もしないうちに俺は携帯の鳴る音で起こされた。
「……ったく、誰だよ」
 布団に入ったまま、手だけを使って携帯を探す。えっと、確かこの辺に……あったあった。
 画面には「美雪」と表示されていた。
「はいもしもし」
「あっ、悠介? わたしよ。あのさ、いま私あんたん家の近くにいるんだけど、寄ってもいい?」
 本当は今日一日寝るつもりだったんだけどな。まあ、いいか。
「いや、いいけど。部屋かなり汚いぞ」
「私が来るまでに掃除しておくこと」
 ピッ。
 携帯を閉じる。ああ、めんどくさい。しかし確かにこの部屋に幼なじみとはいえ女を上げるのは抵抗があるので、名残惜しい布団の中から起きて、まずはこの布団を片付けることにした。

 しかし……
「なに、この汚い部屋」
 終わらなかった。結局汚い部屋に美雪を上げることになってしまった。
「だらしないあんたの事だから想像はしてたけど、実際に見ると……。これじゃ彼女ができないはずだわ」
「うるせえ」
 美雪は何とか足場を見つけて中まで入ってきた。
「しかたない。ほら、手伝ってあげるから」
「いいよ別に」
「よくない」
 美雪はまずそこら辺に積み上げてあった本たちに手をつけた。
「これ捨てていいの?」
「いやいいけど」
 思わずため息をつく。……しょうがない、やるか。
 俺は机の上のパソコンや仕事の書類を片付けることにした。
 はあ。本当は寝てすごすはずだったのに。

「なあ、でもなんでこんな所まで来たんだ」
「えっ」
 美雪は処分行きの本を紐で結んでいた手を止め、こちらに振り向いた。
「わざわざ飛行機代を払ってまで来るってさ」
「ほら、今私の大学、長期休暇中だから旅行にでもと思ってね」
「いいご身分だな、大学生は」
「講義がある日は大変なのよ、あとレポートとか」
「ああ、それはやりたくねーわ」
「でしょ。……っておしゃべりしてる暇があったら手を動かす!」
「お前もだよ」
 さて机の上が終わったので、次は台所でもするかな。

 しばらくして、台所も見違えるほどきれいになった。
 結構疲れたので、2人分のお茶とお茶菓子を用意する。そういえば、美雪は緑茶派だったか、紅茶派だったか、どっちだったか。
 俺がそのことを聞こうとすると、
「ねえ、この『Diary』って書いてあるの、捨てていいの?」
 と聞いてきた。
「『Diary』? なんだそれ」
「ほらこれ」
 美雪は台所に向けてそれを見せた。
「ああ……。そんなとこにあったのか」
 その『Diary』には見覚えがあった。
「これ、あんたの日記? 日記つけるなんて似合わないわね」
「五年前のだよ」
「五年前って……もしかして」
 美雪にもそれが何かわかったのだろう。
「留美とのやつ」
「交換日記なんてやってたんだ」
「交換したことないけどな」
「は? どうゆうこと?」
 目の前にあの頃の風景が蘇ってくる。最初に見えてくるのは留美の姿。あの頃を思い出すとき、留美はいつだって笑顔だ。実際、俺は留美の泣き顔を見たことがない。怒ってる顔を見たことは何度かあるが。

 
 それは俺たちが付き合って最初の日の事だった。 

「はい、これ」
 留美は俺にかわいらしい手帳のようなものを手渡してきた。表紙には「Diary」の文字。
「交換日記?」
 中を見ると、日付の下に何か書き込めるようなスペースがあった。たぶんここに日記を書くのだろう。
「交換日記……ではあるのかな」
 留美はそんなあいまいな答え方をした。
「でも毎日交換するわけじゃなくて…」
「一週間おきとか?」
「そうじゃなくて、それにお互い普通の日記みたいに毎日つけて、たまに交換するみたいな。悠くんはそれに書いて。わたしのはちゃんとあるから」
 そう言って留美は俺の手にあるのと色違いの日記をかばんから取り出した。
「たまにって?」
「とりあえず、まずは一年後よね」
「一年後…」
 一年。それはかなり長いな。
「そういうさ、記念日? みたいな日に交換してそれまでの思い出を思い返せたらな、って」
「なるほど」
「だから、今日から毎日書いてね」
「わかった」
 正直、飽きっぽい俺が日記を続けて書けたことがないのだが。
「でも、なんで? 普通の交換日記でもいいじゃない」
「……やっぱりさ、明日見られると思うと、どうしても飾りをつけて書いちゃうじゃない?」
「うーん……」
 あまり代わりがないような気もするが、まあいいか。
「さて、今日は何を書こうかな〜」
「なんでもいいよ。思ったことならね」
「『国語の漢字テストで、初めて留美さんに勝った』とか」
「なんかちっぽけだね、それ」
「日記ってそんなもんじゃんか」
「確かにね」
 その日は夜のメールも、日記の話題で盛り上がった。

 
「へえ。じゃあもう一方は留美が持ってるわけね」
「そういうこと。だから俺は留美がどんなことを書いてたのか知らない」
「おばさんに言って、探してもらったら? 多分まだ残ってるでしょ」
「……別にいいよ。そうそうお前さ、緑茶と紅茶、どっちがいい」
「紅茶のホットで」
「はいはい。安物だけど」
 市販の紅茶のパックから2人分の紅茶を作る。
 と、そこで美雪が口を挟んできた。
「ねえ、あんたさ……」
「うん」
 俺は答える。しかし美雪はそれっきり黙ってしまった。
「なんだよ」
 こっちが急かせる。すこし間があってやがて美雪は意を決したようにして言った。

「あんた、まだ留美の事、好きなんじゃない?」

 俺は思わず黙ってしまった。
「………わかんねえよ」
 言えたのはそれだけだった。声が震えてしまったのを美雪に気づかれていないか、心配だった。
 そう、多分俺はまだ留美から離れられていない。朝起きたときも、昼間仕事中も、夜寝るときも、気づけば留美の事ばっかり考えてるような日々を送っている。でも……。
「もしかしたら後悔してるだけなのかもな。好きとかそんなことよりも」
 そして、あの頃に戻りたいという、過去にすがる気持ちも。
 
 それからちょっと熱すぎた紅茶を飲み、また掃除をし始めた。飲んでる間も、そのあとの掃除中も、俺たちの口数は極端に減った。
 部屋が見違えるほどきれいになって、美雪は帰っていった。ホテルに予約していると言う。
 綺麗になった部屋は、片付いたというより質素になったというほうがしっくりきた。俺はなんとなく寂しさを感じ、少しだけ部屋を掃除したことを後悔した。


banner2.gif

ブログランキングです。

本サイトをお気に入りになりましたら、クリックをお願いします。




posted by BAA at 11:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 未確認物体X | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月13日

不定期連載小説『交換日記』第1回(by Snaga)

 うつむき、黙祷をささげる。
 俺が顔を上げると、視界に入る少女の写真。
 今日は写真に写る彼女の命日だ。彼女が死んだのは5年前だから、5年忌というやつだ。
 俺の隣で俺と同じようにうつむいてた美雪も、少し長い黙祷から頭を上げた。そして美雪もまた少女の写真を見つめる。俺とは違うところで思うところがあるのだろう。
 あまり笑うところを見たことのない美雪も、この日さらにまして無表情だった。もちろん俺も。笑っているのは写真に写っている彼女だけ。
「留美、元気でやってるかな」
 小声で美雪はつぶやく。そして静けさが部屋を占領する。留美のお母さんが声をかけてくれるまでそれは続いた。
「毎年、ありがとうね。この時期は仕事も大学も忙しいでしょ」
「いえ、そんなことは。私も悠介もこの日だけは留美に会いたくて」
 そう言う美雪。だけど俺はほとんど毎日、留美の事を思い出している。そしてそのことを美雪はたぶん気づいているだろう。
 
 
 ちょうど今から五年と半年前。
 俺と留美は彼氏彼女の関係にあった。


「悠くん」
 留美は俺の事をそう呼んでいた。それに俺は
「留美さん」
 と返していた。俺が留美の事を呼び捨てにするのはメールや手紙を書くときだけで、実際にその名前を呼ぶとき、俺が「留美」と呼び捨てに呼んだことはたったの一度だけだった。
 その一度というのも、留美に
「私のことは『留美』って呼んで。そっちのほうが恋人って感じがするでしょ」
 と言われ、結構間があって
「留美・・・・・・いや、やっぱ無理。恥ずいし」
 と俺が言ったその一度だけだ。そんな俺に留美は少し残念そうに「しょうがないか」とつぶやき
「でも、わたしは悠くんのこと『悠くん』って呼ぶからね。これは絶対」
 そう言ったのを覚えている。それ以前から留美は俺のことをそう呼んでいたので、少しズルイ気もしたが、
「わかったよ」
 とぶっきらぼうに返すことしかできなかった。
 これは俺たちが付き合って始めてのデートの日の帰り道の時のこと。
 それから俺たちは普通の恋人らしく、毎日を過ごした。

 
 そしてあの日、事態は急変する。
 それは俺たちが高校3年生の二学期も半ばのこと。 
 いつものように学校に行く用意をしているとき、俺の家の電話が鳴った。俺の母さんが出て、それから
「美雪ちゃんのお母さんから、連絡網」
 と受話器を渡してきた。なぜ美雪からじゃないのか疑問に思ったが、俺は受話器をお袋から受け取り、電話に出た。
「あっ、悠介くん? 美雪の母ですけど」
 その時、俺はおばさんの声が少し震えているのに気づかなかった。
「ごめんね、美雪が私じゃできないって言うもんだから。留美ちゃんの事で連絡網が回ってきたから。……その気を落とさないでね」
「えっ?」
 何のことだか俺にはわからなかった。留美が、留美が一体どうしたというんだろう。
「留美さんがどうかしたんですか」
 このときも俺は、『留美』と呼び捨てにすることはなかった。
「もしかして、……聞いてないの? 美雪が悠介君は多分もう知ってるって言うから」
「いや、僕は何も聞いていませんけど」
「………落ち着いて聞いてね、悠介くん。
 
 留美ちゃん、昨日の夜交通事故にあって、亡くなったって。」

 は?
 間抜けにもそんな声を出してしまった俺。
 おばさんの台詞の意味を理解するのにはそれからしばらくしてからだった。
「交通事故って…」
 いや、そのときも俺はちゃんと理解してはいなかったのだろう。ただ、おばさんの言葉を繰り返しただけだと思う。
「死んだ……」
「その……気を落とさないで。お母さんに変わってもらえる?」
「はぁ……わかりました」
 そして俺は受話器を口から離し、
「母さん、変わってって」
 それを母さんに手渡した。
「はい、変わりました」
 母さんがおばさんの話し始めても、俺は電話機のそばから離れることができなかった。
 頭がまともに動いてくれない。朝だからだろうか。
 それからの事を、俺は覚えていない。その日あったはずの留美の葬式には行っていないことだけはかろうじて。
 そこから、俺の記憶は夕方まで間がある。
 留美のおばさんから電話があったのだ。
 おばさんは美雪から俺と留美が付き合っていたことを聞いて、それでこうして電話してきたと言った。おばさんがまるで感情のないような声で話すので、酷くそれが怖かった。多分それはおばさんがわざとしたことで、娘をなくした悲しみを押し殺していたんだろう。
 おばさんは一言だけを残して、電話を切った。
「一度、家に来てください。そして留美に会ってやってください。そうしないと留美は旅立てないままになってしまいます。一人で来るのはきついかもしれません。その時は美雪さんと一緒に来てください。美雪さんにもそう話してあります。だから来てください。お願いします。」
 一週間くらい経ってからだったか。
 俺はおばさんに言われたとおり、美雪を連れて留美の家を訪れた。
 留美の家の中は線香の香りが玄関まで漂っていて、俺たちは玄関のすぐ横の和室のようなところに招かれた。
 その隣のこれまた和室の部屋に、留美の遺影はあった。
 多分俺はその時初めて留美が死んでしまったことを理解したのだろう。
 その日、俺は初めて涙を流した。そうするとまるで洪水のように悲しみが押し寄せたのだった。
 身体を震わせ泣き崩れてた。背中をなでてくれる美雪の手も同じように震えていた。

 それから今日までの五年間、瑠璃の命日の日にはいつも俺は美雪を連れて瑠璃に会いに来ている。……いつまでたっても一人は怖いのだ。


 留美の家を出て、俺は実家に戻ることにした。美雪も俺の実家のすぐ近くに家があるので必然的に一緒に変えることになった。
 俺はこの町に帰ってきている間、実家で過ごしている。明日には向こうにに戻るつもりだ。
 俺たちはお互い黙ったまま、帰る道を歩いていった。
 まだ秋だというのに、風がまだまだ冷たかったので、俺はポケットに両手を突っ込んだ。
 母さんに頼んで、今日の夕食は鍋にしてもらおう。季節外れかもしれないけど。


banner2.gif

ブログランキングです。

本サイトをお気に入りになりましたら、クリックをお願いします。




posted by BAA at 17:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 未確認物体X | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月01日

挑戦3 〜テスト直前のヤケクソなノリで〜

 ハラちゃん:はい、どうも。この娘とは友達以上恋人未満の関係です、ハラちゃんです。
 BAA:嫌過ぎるだろ、その言い方!いや、親に心配かけたくないのは分かるけど!BAAだ。
 ハラちゃん:やっぱりね、私はもう現在思春期ですから。燃え盛る恋がしたいわけですよ。
 BAA:いや、それはいいんだが、もしかして、あらゆる女友達を紹介するときにその言葉使ってんじゃねえだろうな。
 ハラちゃん:うん。こっから始まる恋もいいかな、って。
 BAA:始まるもんも始まらねえぞ!?お前のほうはいいにしても、相手からすればかなりうざいじゃねえかよ!
 ハラちゃん:でね、現実で実らないんだったら、せめて架空の世界だけでも燃え盛る恋をしよう、と。というわけで、恋愛ドラマをやってみたいんです。
 BAA:いきなり卑屈すぎだろ!しかし、お前が恋愛ドラマって、かなり似合わないことするな。いったいどんなのをやりたいんだよ。
 ハラちゃん:このことを見越してね、いくつか台本持ってきましたから、そこから名シーンを紹介しよう、とね。
 BAA:見越して、っていうか完全にお前から話が始まったけどな。まあ、とりあえず言ってみろ。
 ハラちゃん:シチュエーション的には、夜道で女性の方と別れるわけです。で、それが今生の別れになるかもしれない、って感じにプロポーズするわけですよ。
 BAA:なんかいきなり変なシチュエーションだな。完全にバッドエンドのフラグ立ってる気がするんだがな。
 ハラちゃん:それで、道路を走ってくるトラックの前に飛び出して、叫ぶわけです。あの有名ドラマをインスパイア、みたいなね。
 BAA:「101回目のプロポーズ」か。武田鉄矢さんが飛び出して、有名なセリフを叫ぶわけだな。
 ハラちゃん:「助けてください!」
 BAA:じゃあ、何で飛び出したんだよ!勝手に飛び出しといて助けを求めるな!
 ハラちゃん:「僕を、僕を助けてください!」
 BAA:しつけえよ!いや、本当に何で飛び出したんだよ!?
 ハラちゃん:いや、よく恐怖心のドキドキが、恋のドキドキと勘違いしてしまって、ってのがあるじゃないですか。あれと同じように、こっから始まる恋もいいかな、って。
 BAA:まだ女性を好きになってさえもいねえのかよ!本気で単なる無駄死にじゃねえかよ!
 ハラちゃん:「101回目のジコチュー」ですよ。
 BAA:うるせえよ!変な風にドッキングさせるんじゃねえ!他にまともなのはねえのかよ!
 ハラちゃん:ああ、まだありますよ。あれ、ね。私は普通の恋よりも、溶岩のようにドロドロとした熱い恋が好きなんです。それこそ、昼ドラみたいなのがね。
 BAA:まあ、確かにドロドロとしてはいるがな。でも、ああいうのは結構難しいんじゃねえか?複雑な関係があってこその昼ドラ、ってのもあるわけだし。
 ハラちゃん:そう思うと思って、一瞬で複雑な人間関係がわかるような名シーンを用意してきましたよ。我ながら、すごく分かりやすいと思います。
 BAA:なんだかよく分からんが、とにかくすごい自信だな。まあ、やってみろ。
 ハラちゃん:「この泥棒猫!私の胸で泣きなさい・・・。」
 BAA:いったい何が起きてるんだよ!全くわからねえだろ、これ!
 ハラちゃん:要するに、三角関係なわけですよ。ニボシとワカメと猫の。
 BAA:人間ですらねえのかよ!本当の意味で泥棒猫かよ!単に罵声を浴びせればいいって問題じゃねえだろ!
 ハラちゃん:で、このセリフのあと、ニボシを口から落として猫が「ニャー」と鳴くわけです。
 BAA:心底どうでもいいよ!つか、この内容で、お前はいったい何の役をするんだよ!
 ハラちゃん:当然猫役ですよ。ちなみに、このドラマのタイトルは「サザエさん ワカメの三角関係」です。
 BAA:ワカメはいったい何をやってるんだよ!つか、サザエさんは昼どころか、一家団欒の時間の番組だし、なんでタイトルがドラえもんの映画風なんだよ!
 ハラちゃん:長い!まあ、ワカメちゃんのパンチラという名のサービスシーンがあるから、別にいいじゃないですか、そんなこと。
 BAA:いくらサービスシーンがあっても、ワカメの奇行は覆せねえだろ!これは絶対に駄目だ!他にもっと普通のを!
 ハラちゃん:今回はものすごい自信がありますよ。これは、自分とかその友達とかの境遇を重ね合わせて作った作品ですから。
 BAA:ほう。あまり期待は出来ないが、とりあえずまともそうだな。
 ハラちゃん:主人公はゲーム好きで、街中で出会った女性に一目ぼれするわけですよ。で、そこから二人の恋が始まっていく、と。
 BAA:清々しいほど駄目っぽいストーリーだ。一目ぼれした後、いったい主人公はどうしたんだよ?
 ハラちゃん:とりあえず、追いかけ回せば好感度が上がる、と思って女性をつけまわします。
 BAA:できの悪い恋愛シュミレーションじゃねえんだよ!いきなりストーカーと化しちゃってんじゃねえかよ!
 ハラちゃん:で、いくら忙しいときでも、彼女が乗る電車にだけは同乗します。
 BAA:どこまで「電車男」という名の夢物語にあこがれてるんだよ、そいつ!つか、この物語、永遠に終わりそうにねえな!
 ハラちゃん:いや、案外早く恋は結ばれますよ。やっぱり追いかけまわすだけでは無理だ、と悟った主人公は思い切って告白してみるわけです。
 BAA:いまさら悟ってもな。まあ、結構ここらへんはまともな展開なんだな。いったい何て告白したんだよ。
 ハラちゃん:「ゲームはリセットできても、俺の燃え盛る愛はリセットできねえぜ!」
 BAA:ただただうぜえよ!なんか、最初からふられてる、みたいな言い方になってるだろ!つか、これは完全にストーカーの言い方だ!
 ハラちゃん:「き、きみの心のブロックを俺の魂で崩して見せるぜ!」
 BAA:なに、微妙にうろたえてるんだよ!そりゃ、誰だって避けるだろ!
 ハラちゃん:「アイ ラブ ユウゥゥゥゥッ!!!」
 BAA:もはやグダグダじゃねえかよ!つか、この流れは、明らかに逃げられてるだろ!
 ハラちゃん:そして、そんなことやあんなことがあって、二人は付き合うことになりました。
 BAA:一番重要な部分を省くなよ!これじゃ、主人公の駄目な部分しか浮き彫りになってねえだろ!
 ハラちゃん:で、二人はそれから幸せに暮らしましたとさ、と。いやー、夢を与えるのっていいですねー。
 BAA:んなので夢を与えられてる時点で駄目なんだろうがよ!もういい加減にしろ!その後の二人
タグ:挑戦


banner2.gif

ブログランキングです。

本サイトをお気に入りになりましたら、クリックをお願いします。




posted by BAA at 13:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 未確認物体X | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月02日

『血の1週間 file:05 The week of October 15』(by Snaga & Snage)



The week of October 15



SnagA:かなりの急ピッチで連載されているこのコーナ。SnagAです。

SnagE:「時間がないから」とか言って始めたのに、さらに時間の浪費が…。ども、SnagEだ。まったく、それでも受験生か。そういえば、最近、高校必修科目の未履修が話題になってるな。お前の学校は大丈夫なのか?

SnagA:それは大丈夫、だと思う。ってか、俺は学校側がどうこう以前に、自分から卒業できない危険に立ち向かってるから。

SnagE:勉強しろよ!! しかもお前30・31ってテストなんだろ?

SnagA:まあ今頃やってもね…、それにゲームしてるほうが楽しいし。ダメ人間って言葉は俺のためにあるのです。

SnagE:自分で言うな…、はぁ〜。もしこれを見てる学生さんがいたら、こんな人間にだけはなっちゃいけない。

SnagA:いや、ここ見てるんだから、もう手遅れっしょ。『ダメ人間へのなり方』、それがここの裏の姿。

SnagE:…まぁ確かに。


SnagA:さて今週の分に入ろうか。今回はこんな感じ…と言いたいところだが、今回はキャプるの忘れてたので、選択したのだけいうね。えっと、10/15(月)「?」 10/18(木)「るい」 10/19(金)「依緒」で決定ッ!



10/15(月) 休み時間

眠かったので水道場で顔を洗う。ふう、とさっぱりしていると「トテトテトテ…、クルリ」と変な音が聞こえた。なんだろう?

「そこのおぬし」

驚きながら音のしたほうを見るとそこには幼稚園児くらいの女の子が「ジャーン」という擬音を自分で発しながら立っていた。

何も言えずにただ呆然としていると、

「呼ばれたら返事をせぬか」

といきなり怒られる。さらに困惑しながらも

「ダメだよ、学校に入って来ちゃ。どこから来たの?」

と聞くと、

「ギオンはこの学校の人間じゃ。この制服が目に入らぬか?」

とあきれたように返された。

確かに制服を着ていることは着ている。が、それも上着だけ、別に下が丸見えだというわけでなく、上着だけで十分全身をカバーできているのだ。なるほど、この学校の生徒の妹で、姉の制服を着てここに来たわけか。名前を聞くと、

「人に名をたずねる時は、まず自分から名乗るのが礼儀だ」

と返されてしまう。…面倒くさい子だ。しかたなく俺の名前を教えると

「おおっ!おぬしであったか。」

と自分で納得し始める。俺の知り合いの妹か?

「井上祇園(いのうえぎおん)♀」という名前らしい。はて、知り合いに「井上」なんて奴、いたかな…? 

俺が記憶の中を検索していると、ギオンの電話の音が鳴る。

「ぷるるる…」「ゴソゴソ」「カチャ」「プッ」

電話に出たギオンは急用ができたらしく、「めるめる…」と言いながらメールを打ち始める。

その「めるめる」ってのはなんなのかと聞くと、メールを打っている音だと言った。

「ギュルルルルン」

これはメールを送信している音らしい。

「ペコリ」「ダッダッダッダッ」

おかしな擬音を残して、女の子はどこかに行ってしまった。一体なんだったんだろうか。

…………………もう一回、顔洗ってこよう。

SnagA:あ、でた!

SnagE:…え〜と、ますだおかだ、か? なんか違うような気もするが…

SnagA:いや、こんな感じだったかな〜と。それより出ちゃったね、こういう娘。

SnagE:この手のゲームにはよくいる、不思議系の少女ってやつか。

SnagA:でも、擬音を自分で発するヒロインってのは初だな。

SnagE:ヒロインなのかどうかは、まだわからないがな。それにしても、このゲーム、まともなやつかと思ったんだが、やっぱりファンタジー要素があるのか。

SnagA:う〜ん。あんまりそういうのは求めてなかったんだけどな…。しかし、この娘…

SnagE:あ?

SnagA:下、ほんとに着てないのかな?

SnagE:………………。


10/18(木) 休み時間

休み時間。俺は「大きいのがクジラ、小さいのがイルカ」と昨日テレビでやっていたことを陸に話してみた。

しかし陸は

「いくらなんでもそれは」

とかたくなに信じようとしなかった。そこで陸は仲根さんを呼んだ。

どうして仲根さんを呼ぶのか、と聞くと陸いわく

「仲根は専門家」

らしい。陸が仲根さんに俺が昨日テレビで見たことを言うと、仲根さんは

「うん。そうだよ」

と首を縦に振った。やはり俺の言ったことは正しかったようだ。仲根さんによると、

「クジラにはヒゲクジラとハクジラがいて、ハクジラで4mより小さいものがイルカ」

らしい。…すげぇ、ほんとに詳しいんだな。

なんでそんなに詳しいの? と聞くと、仲根さんは

「将来は獣医になりたい」

らしい。動物が好きだと言う仲根さんに俺は…


  1. 獣医ってどうすればなれんの?
  2. 将来、動物病院を開業予定とか?
  3. なかねさんはじゅういになるのかぁ

SnagA:獣医、か。なるのは結構難しいらしいみたいだね。

SnagE:そうなのか?

SnagA:俺の友達にも獣医になりたいって奴がいるんだけど、大学の獣医学部は結構レベルが高いらしい。その友達も結局、専門学校に行くことにしたみたいだしな。

SnagE:まあ、医学系統は偏差値が高いからな。

SnagA:その点、俺の目指す工学部系統は医学系統と比べればかなり低いからな。

SnagE:それでもお前には無理だろ。さて、選択肢が出てきたな。どうする。

SnagA:人が気にしてることをずけずけと。しかもさらって言ってのけたなこのやろ。…じゃあ、1で。



仲根さんによるとまず大学の獣医学部に行って、その後、獣医師国家試験を受けて資格を取らなければならないらしい。(ティアーポイント 1減少)

仲根さんは去っていった。しかし、陸と仲根さんの会話を聞いて気になったことがあった。

「なあ、なんで仲根さんを呼び捨てで、けっこう親しげなんだ?」

どうやら陸と仲根さんは中学から一緒で、2年と3年のときは同じクラスだったらしい。

「でも、今まで親しそうに話してたこと、無かったじゃないか?」

その問いには意外な答えが返ってきた。

「やっと吹っ切れたってところかな? 中3のときに勢いで告って見事玉砕ってわけさ。まっ、今じゃいい友達ってやつさ」

…陸と仲根さんの意外な関係を知った一日だった。



SnagA:おおっと、これはまた別の陸バットエンドが

SnagE:ない。なぜお前はそこまで陸バットエンドにこだわる?

SnagA:えっいや、だってそっちのほうが青春って感じがするじゃん。1人の女をめぐって男2人が大乱闘。夕焼けで真っ赤に染まった川原で、2人はただ怒りのままに相手を殴る、蹴る。いつしか、2人は夕焼けと血の赤に染まっていた。それでも手を止めない。止めた時、それは彼女のことをあきらめたことになるから。しかしいつかは決着がつく。この戦いはすぐに終わるだろう。だからその時まで、2人はただこぶしを振り下ろした。…みたいなさ。

SnagE:いやに長くお前の偏った青春が語られたが、時代が古すぎだろ。

SnagA:血なまぐさいのは好きじゃないんだけどな。

SnagA:…で、ここで陸とるいの過去がわかったわけだが。

SnagA:それを知った哲也がどう行動するかが楽しみだな。

10/19(金) 夜 PM 6:59

見逃せない番組があったのでテレビを見ていた。





いや〜面白かった。来週も見逃さないようにしないと。


SnagE:っておい!! これで終わりかよ!! いくらなんでも早すぎねーか? 依緒の名前も出てこなかったし。

SnagA:俺もそう思ってもう一度やり直したんだがな、そしたらこんなのが出てきた。



毎週見ているテレビのアニメ番組。

制御装置の暴走により世界は破滅の危機に。そんな中、アリアは崩壊を食い止めるため、暴走原因である制御格へダイブを決意する…という前半の盛り上がりのシリーズ第7話。



SnagE:…なんだこれ?

SnagA:このゲームは一回通ったところはあらすじになって出てくるんだけど、ここはこんなあらすじだった。

SnagE:アニメの詳細情報はどうでもいいんだよ! しかもこのアニメ、ぜいたくにCGまで用意されたし。

SnagA:でも、ちょっと見たくね?

SnagE:すいませんが、まったく。

SnagA:う〜む。あっ、もしかしたらこっから本物のアニメにしてやろうって魂胆じゃ? ほら『げんしけん』の『くじびきアンバランス』みたいな。

SnagE:ねぇ〜わ、それは。

SnagA:まぁ、今回アニメ化された『くじアン』はびみょうだったしな。ヒロインの「きのこ好き」って設定もなくなってたし。『げんしけん』のアニメの中で流れてたやつのほうが数倍よかった。

SnagE:俺はいまいち内容は知らないんだが、その「きのこ好き」がなくなったのは仕方ないと思うぞ。

SnagA:お前みたいな想像力豊かな人はそう思うんだろうけどな、あっ妄想力か?

SnagE:てめぇにいわれたかねぇ〜よ!!!

SnagA:ふう、ほんと急ピッチで仕上げたな。

SnagE:最初のうちだけだ。日付をあわせるためにやってんだから。

SnagA:えっと次回2つやれば追いつくのか?

SnagE:たぶん。ま、がんばれ。

SnagA:これじゃ受験勉強が…。

SnagE:しないだろ、どうせ。

SnagA:せっかく友達に俺の部屋の掃除させたのに。プリントで埋もれてた俺の机もようやく使えるようになったし。

SnagE:うわっ、最悪お前!

SnagA:その友達にはこの場を借りてお礼を言わせていただきます。「ありがとう。あと粗大ごみの処理もよろしく」

SnagE:こりてねえ!
















SnagA:ゲーム十本で手を打って♥


このゲームを制作されているLa'crymaさん(注 会社)のホームページはこちらです。
詳しい情報が知りたいときや欲しくなった時はどうぞ。卑猥って言ってるやつが卑猥なんだ!

なお、このページで使用しているLa'crymaの画像は転載許可を受けています。
このページからの無断使用・転用を禁じます。To be continued...


タグ:True Tears


banner2.gif

ブログランキングです。

本サイトをお気に入りになりましたら、クリックをお願いします。




posted by BAA at 16:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 未確認物体X | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「『血の1週間 File4:The week of October 8』」の覗き部屋(by ハラちゃん & BAA)

>SnagA:先日、俺の通う高校に『アナルファッカー』が現れた。
>SnagE:は? 『アナルファッカー』?

 ハラちゃん:はい、どうも。学校で始めるなんて、オ・チャ・メ(はあと)、ハラちゃんです。
 BAA:このコーナーになるたびに下ネタをやるのはやめろ!BAAだ。
 ハラちゃん:いや、やっぱりこういうゲームのときは下ネタが、ね!
 BAA:これは普通のギャルゲーだぞ!?お前がやってるのは、ときメモ談義の時に突然う○ことか連呼しまくるとの一緒だぞ!
 ハラちゃん:しかし、この「アナルファッカー」ってなんなんですかね。微妙に名前がかっこいいんですけど。
 BAA:意味を調べたら本当に最悪なことなんだけどな。確かに気になる。

>SnagA:千年殺しの使い手です。奴は掃除時間になるといきなり背後に現れます。最近は掃除時間に限らず、いろんな時間に現れるようになりましたが。

 ハラちゃん:要するに、カ○チョーですか。ケツでつながりあうほどの仲なんでしょうね。
 BAA:よりえげつなくするなよ!・・・しかし、確かにこれはかなりの親密の仲の友達だよな。若干ストーカーの気まである。
 ハラちゃん:いったいどんな人なんだろうね。結構気になるなー。

>SnagA:くそ、あの先公…
>SnagE:先生かよ! それはちょっとやばいぞ、最近先生たちも風当たりがきついからな。先生! そのくらいにしとかないと、朝刊の第一面を飾るぞあんた!!

 ハラちゃん:今は、がんばってもテレビ欄の裏レベルですよ。命張ったオオボケかます人だって出てきてるんだから。
 BAA:確かに、カ○チョーくらいで1面飾ってたら、他の事件や事故に申し訳ない、って感じもあるけどな。
 ハラちゃん:でも、そんな先生がいるなんてね。あまり生徒とのスキンシップを大事にするのもどうかな。全裸で。
 BAA:新しい設定を付け加えるなよ!なんでSnagaさんの通ってる学校をそこまでして貶めたいんだよ!

>10/11(木) 放課後 PM 4:12
>(中略)

>一件落着したところで、改めて仲根さんの水着姿を堪能する。「な、なに?」「えっ!」まずい、ばれてしまったようだ。俺は何とかその場をやり過ごそうと…

> 1. 仲根さんってスタイルいいね
> 2. その水着、カッコイイね
> 3. 目のやり場に困っちゃうね

 BAA:堪能している時点で何かを間違えてるよな。
 ハラちゃん:完全にエロ親父と同じ思考だしね。その言い訳に関する選択肢もまたすごい。どれも修羅場フラグが立っていらっしゃる。
 BAA:あえて純情さを売りにしたいんだったら2なんだろうな。1と3はどっちにしてもセクハラ発言だ。慰謝料請求されてもおかしくない。
 ハラちゃん:じゃあ、ここは2を選ぶしかないかな、って、あれ?

>SnagA:いや、俺は常識人だから1だ。
>SnagE:どこが? しかも1も常識人の発言かどうかは怪しいがな。じゃ1な。

 ハラちゃん:体を見た感想を言った!?
 BAA:もし、俺がんなこと言われたら鉄拳繰り出してる。・・・これは、初めてのティアーポイント上昇かもしれねえな。

>仲根さんは頬を赤らめながら
>「やだ、もうっ! へんなこといわないでよぉ」
>と言い挨拶もそこそこに、走っていってしまった。(ティアーポイント 1減少)
>(うーむ…水着だと胸がこう…。しかし、ラッキーだったな♪)

 ハラちゃん:反応が、おじさんに下ネタ話された女性の方とほぼ一緒なのがポイントですね。
 BAA:しかし、なんかまんざらでもなかったみたいだな。ティアーポイントも減ってるみたいだし。
 ハラちゃん:たぶん、このティアーポイント現象は、主人公がまばたきを忘れていたせいで目が乾いてしまった、ってのを表してるんですよ。きっとそうに違うない!そうじゃないと僕の常識が崩れ去る!
 BAA:まばたきしただけで嫌われる男、ってどんな男だよ!・・・Snagaさんたちは、主人公の最後の一言に偉く注目してるみたいだが、これは・・・、すごい発言だよな。
 ハラちゃん:全世界のスク水マニアを敵に回しましたね、主人公。
 BAA:変な解釈を加えるなよ!というか、人の趣味にあれこれ言うな!

 ハラちゃん:・・・って言うか、SnagaさんとSnageさんたちまともにやってるみたいだし、別にもう大丈夫じゃない?
 BAA:そう言っていた数秒後に問題発言をしたのを忘れたのか?まあ、俺もこれが終わるんだったら、それほどうれしいことはないけど。
 ハラちゃん:とりあえず、今はのんびりゆっくりと休んどこう。あと1つは書かないといけないんだから。
 BAA:って、単に息切れしただけかよ!その程度で検閲を休むな!

>そんなことを考えていると飛美さんへの用件をド忘れしてしまった。
>「最近、若年層のボケが…」
>と脅されながら保健室を出る。
>教室に戻り、さっきのメガネの子を探してみると、窓際の机に座り、静かに本を読んでいた。あー、そういえばいたな、あの子。名前は…

> 1. 上田さんだったかな?
> 2. 上原さんだったよな
> 3. えーと…下田さんだよな?

 ハラちゃん:これまた斬新な3択ですね。っていうか、嫌過ぎる。
 BAA:たぶん、ノベルものにつき物のログ機能がついてるから大丈夫なんだろうが、これは・・・、ちょっとすごい選択肢だ。
 ハラちゃん:とりあえず、2番を選びさえすればティアーポイントは悪い風には進まないだろうけど。

>SnagE:「つい…それより」って、ぜってえ、またやるこの主人公。
>SnagA:とすると、前回の俺の考えた陸バットエンドは
>SnagE:それはない。…で、選択しだが、この主人公結構酷い発言をするよな。3番とか。
>SnagA:………ポチッ。
>SnagE:って言ってる傍から3押しやがった! 酷いのはお前もか。

 BAA:すごい、間違った方法でチャレンジャーだ。
 ハラちゃん:口には出さないと思うけど、結構主人公すごいこと考えるね。というか、あの前の血みどろバッドエンドはSnagaさんの妄想物語なんだ。
 BAA:口にも出したが、結構Snagaさんすごいこと考えるな。気になるのはこの結果だ。とりあえず見てみようか。

>下田さん?いや違う気がする…。下………なんっだっけな。と何とか思い出そうとするが思い出せなかった。(ティアーポイント 1上昇)
>悩みに悩み、そもそも下が間違っていることに気づく。そこから何とか「上原穂香(うえはらほのか)」さんまで答えをもっていった。
>地味で目立たないからいるのかいないのかわからないな。

 ハラちゃん:うわっ、すごい低待遇!っていうか、主人公がひどっ!
 BAA:上原さん、この調子だとうっかりしたらいじめられてるぞ?しかも、当然のごとくティアーポイントは1アップ。ろくなことがなかったな。
 ハラちゃん:これで、上原さんは唯一、ティアーポイントが他のキャラ達より高いわけだね。すごい特別待遇だ。
 BAA:嫌過ぎる待遇だな、おい!・・・今回も、無事に終わったな。
 ハラちゃん:だから言ったじゃん。何もひどいことは起こらない、って。大丈夫大丈夫、もうSnagaさんとSnageさん2人にまかせても大丈夫だって。
 BAA:むしろ、俺達がゲームレビューしてるみたいな感じになっちゃってるもんな。・・・って、なんかあっちが騒がしいな。

>SnagA:は〜い、次回は?

>「SnagAです。季節はすっかり秋。体に当たる風が結構冷たくなってきました。さて次回は『栗の糖度をメロン並にするには?』『なぜ秋の空は低いのか』『おならしたのはだれだ?』の三本です。」

>SnagE:来週見てくださいね♪ ジャンケンポン♪おらっ
>SnagA:ぐはっ! …さすがだな、じゃんけんすると見せかけてグーで殴ってくるとは。

 BAA:・・・・・・。これでも大丈夫って言い切れるか?
 ハラちゃん:・・・自信、ないや。

>To be continued...

banner2.gif

ブログランキングです。

本サイトをお気に入りになりましたら、クリックをお願いします。




posted by BAA at 12:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 未確認物体X | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『血の1週間 File04:The week of October 8』(by Snaga & Snage)



The week of October 8



SnagA:まず前置きから始めたいと思う。

SnagE:唐突だし身も蓋もねーな。自己紹介くらいしろ。SnagEです。

SnagA:先日、俺の通う高校に『アナルファッカー』が現れた。

SnagE:は? 『アナルファッカー』?

SnagA:千年殺しの使い手です。奴は掃除時間になるといきなり背後に現れます。最近は掃除時間に限らず、いろんな時間に現れるようになりましたが。

SnagE:それに、お前がねらわれてるわけね。

SnagA:おかげで、私の夜の生活はボロボロなんです!

SnagE:…まあ、ほどほどにしてやってください。若いうちから『あれ』になるといろいろ大変なんで。

SnagA:くそ、あの先公…

SnagE:先生かよ! それはちょっとやばいぞ、最近先生たちも風当たりがきついからな。先生! そのくらいにしとかないと、朝刊の第一面を飾るぞあんた!!


SnagA:さて今週の分に入ろうか。今回はこんな感じ。



SnagE:この黄色いのはなんなんだ?

SnagA:これは特殊イベントです。重要度が高い。じゃあ今回はこれも含めて、10/11(木)「?・特殊イベント」 10/12(金)「依緒」 10/13(土)「?」で決定ッ!



10/11(木) 放課後 PM 4:12

帰ろうとしていたときに飛美に呼びかけられる。保健室まで連行され、プールにある教員室まで荷物を運ぶ仕事を頼まれた。しぶしぶ承知するが、水泳部がまだ部活をしていることを思い出す。普段、部外者は入れないのでこれは久々に女の子の水着姿を見るチャンス!とテンションはいっきにMAX。

 

しかし、プールは静まり返り、誰の姿も見られなかった…。

 

露骨にがっかりする哲也だったが、その時後ろから「きゃっ!」という声が聞こえる。振り向くとそこにはビート版を振りかざす水着姿の女の子の姿が。クラスメートの「仲根るい(なかねるい)♀」だった。としかし、仲根さんは俺を怪しい人だと疑い始め、

「秋山先生に頼まれて荷物を持って来ただけで…別に怪しいことは…」

と俺は自分を弁護する。仲根さんは俺の言うことを信じてくれたらしく、

「最近、怪しい生徒が多いのよ」

と困った顔をする。どうやら女子の水着目当てで忍び込んで覗いたり、写真を撮ってる男子がいたらしい。

一件落着したところで、改めて仲根さんの水着姿を堪能する。「な、なに?」「えっ!」まずい、ばれてしまったようだ。俺は何とかその場をやり過ごそうと…


  1. 仲根さんってスタイルいいね
  2. その水着、カッコイイね
  3. 目のやり場に困っちゃうね

SnagE:仲根るいさんがここで初登場だな。さてこの状況をどう乗り切るか。

SnagA:先生、ここに怪しい人がいます! 3は哲也君が鼻の下を伸ばしながら言ってる様子が目に浮かぶようです。

SnagE:てか、女の水着姿だけでここまでテンションがあがるか。

SnagA:いや、若いな〜。俺もそんなことがあったな…。

SnagE:…………お前も同業者、か。じゃあ3だな。

SnagA:いや、俺は常識人だから1だ。

SnagE:どこが? しかも1も常識人の発言かどうかは怪しいがな。じゃ1な。



仲根さんは頬を赤らめながら

「やだ、もうっ! へんなこといわないでよぉ」

と言い挨拶もそこそこに、走っていってしまった。(ティアーポイント 1減少)

(うーむ…水着だと胸がこう…。しかし、ラッキーだったな♪)



SnagE:最後の発言は、なんというか、人格が壊れた瞬間って感じだな。音符までつけて。

SnagA:いや、若いな〜。俺もそんなことがあったな…。

SnagE:…………どれだけ、お前は哲也とかぶってんだよ。

10/12(金) 休み時間

トイレに急ぐ。と、廊下でこの間兄弟ゲンカしてた依緒ちゃんとぶつかってしまった。「ごめん…大丈夫?」といって手を差し出すと、依緒は「廊下を走ると危ないですよっ!」と言ってきた。そこで俺は…


  1. 自分だって走ってたくせに…
  2. ご、ごめん…
  3. 桜川依緒ちゃんだよね?

SnagE:廊下でぶつかる、ラブコメじゃ定番だな。

SnagA:いや、若いな〜。俺もそんなことがあったな…。

SnagE:それはない。さて、さっさと選択するぞ。

SnagA:3は何気なくスルーしてるよね。ひどっ。てことで2!



そう言うと依緒は「私のほうも、すいませんでした」と申し訳なさそうに謝ってきた。(ティアーポイント1減少)

その上、

「先輩は大丈夫でした?」

と気遣ってくれたので、

「俺は大丈夫。それでこの間はあれから大丈夫だった?」

と聞いた。

しかし、どうやら俺のことを、言われるまで気づいていなかったようだ。

「お兄ちゃんとのケンカはいつものことだから」

と返してきたところを見ると、たぶん大丈夫だったのだろう。そして依緒は

「ありがとうございました」

と元気よく言いながら去っていった。



SnagA:くぅ〜、依緒ちゃんいい娘だな〜。なんか、守ってあげたくなるね。

SnagE:始まってから二週間でもう行き先が確定した様子だな。はぁ〜。

10/13(土) 休み時間

飛美さんに今日の夕飯のことを聞きに、保健室までやってきた。

中には飛美さんしかいないと思っていたので、堂々と呼びかけたのだが、言ったあとで中に女子の生徒がいる事に気づく。あわてて出て行こうとするが、話がちょうど終わったようでその生徒は出て行った。

そのあと飛美さんに

「『秋山先生』と呼ぶようにって言ってあったでしょ。公私のけじめはキチンとしなきゃ」

と怒られてしまう。

「つ、つい…それより、今のメガネの子…」

と聞くと

「ああ上原さんね。あなたと同じクラスでしょ」

と言う。あんな子、うちのクラスにいたかな…。

そんなことを考えていると飛美さんへの用件をド忘れしてしまった。

「最近、若年層のボケが…」

と脅されながら保健室を出る。

教室に戻り、さっきのメガネの子を探してみると、窓際の机に座り、静かに本を読んでいた。あー、そういえばいたな、あの子。名前は…


  1. 上田さんだったかな?
  2. 上原さんだったよな
  3. えーと…下田さんだよな?

SnagE:「つい…それより」って、ぜってえ、またやるこの主人公。

SnagA:とすると、前回の俺の考えた陸バットエンドは

SnagE:それはない。…で、選択しだが、この主人公結構酷い発言をするよな。3番とか。

SnagA:………ポチッ。

SnagE:って言ってる傍から3押しやがった! 酷いのはお前もか。



下田さん?いや違う気がする…。下………なんっだっけな。と何とか思い出そうとするが思い出せなかった。(ティアーポイント 1上昇)

悩みに悩み、そもそも下が間違っていることに気づく。そこから何とか「上原穂香(うえはらほのか)」さんまで答えをもっていった。

地味で目立たないからいるのかいないのかわからないな。


SnagE:ひどっ! やっぱこの主人公、酷いわ。なんかどんどん悪い奴になっていく、哲也が。

SnagA:そう? 結構親近感があっていいんだけど。

SnagE:ああ、そうか。プレイヤーがこうだと、主人公まで変わっていくわけだ。てことは、一番酷いのはお前だな。

SnagA:さて、何とか終わりました。

SnagE:二週間目だけど、やっぱ慣れねーな。

SnagA:早く今後の方針を決めないとな。

SnagE:えっ、それは決まってんじゃないの? 依緒狙いで、上原さんは論外って。

SnagA:あれは事故だから。

SnagE:ああこれで、上原さんだけティアーポイントが上がっちまった。ほんと上原さんのファンの人すいません。

SnagA:は〜い、次回は?


「SnagAです。季節はすっかり秋。体に当たる風が結構冷たくなってきました。さて次回は『栗の糖度をメロン並にするには?』『なぜ秋の空は低いのか』『おならしたのはだれだ?』の三本です。」



SnagE:来週見てくださいね♪ ジャンケンポン♪おらっ

SnagA:ぐはっ! …さすがだな、じゃんけんすると見せかけてグーで殴ってくるとは。
















SnagE:毎回懲りずにグダグダだな。

To be continued...


このゲームを制作されているLa'crymaさん(注 会社)のホームページはこちらです。
詳しい情報や欲しくなった時はどうぞ。何が欲しくなったのかは深く考えてはいけません。

なお、このページで使用しているLa'crymaの画像は転載許可を受けています。
このページからの無断使用・転用を禁じます。
タグ:True Tears


banner2.gif

ブログランキングです。

本サイトをお気に入りになりましたら、クリックをお願いします。




posted by BAA at 11:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 未確認物体X | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
 

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。