妖精さんについての詳細は前に投稿した『駄文その1 走る人々』に書いていますので、そちらの方をご覧下さい。
あ?ホームステイはどうだったって?
どうだった、って最悪だよ。いや?あいつは確かにいい子だったさ。
きちんと言うことも聞いてくれたし、色々手伝いもしてくれた。本当にいい子だったのさ。
でも、聞いてくれるか?あいつが一番最初に言ったこと。
あいつがここにくるの初めて、って言ってたし、それにホームステイってことだったから、家族総出で港へ迎えに行ったんだよ。
いや、そこまでは良かったんだ。きちんと時間通りにきて、きちんとトラブルもなく俺らのところにきて、きちんと挨拶して。
家に行くまでの道で起きたんだよ。
その日は、今までに無いってほどの晴れっぷりでさ、今日ほどドライブするのにいい気分な日はない、ってほどだったんだ。
だからな、車を運転してる俺も気分がよくなって、ついつい鼻歌なんて歌っちゃってな。
後ろの席に乗ってるあいつとか、息子とか他の家族も話で盛り上がってたんだよ。
そしたらな、ふとあいつが空を見上げて言ったんだよ。なんていったと思う?
「空、変な色してますね。」だぞ?
俺は、生まれ育ったこの街に何十年も暮らしてきてよ、多少なりとも誇りってもんがあるんだ。
ここの空は世界一だって信じてたし、そして今も一緒さ。絶対にここの空は世界一、いや宇宙一だと思う。
実はホームステイが終わってあいつが帰った後、呼ばれたからあいつの故郷に行ってきたんだよ。
ここの空と比べてみたけどな、あいつの故郷の空のほうがよほど変だっての。あんなところで生活するなんて、反吐が出るね。
ったく、分かり合えたつもりでも分かり合えてねえのかな。火星人と地球人って。

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