節約のため安売り中の食べ物を主食としていた学生時代などは「どうして夕方ばかりにタイムセールをやって、夜にやらないんだ!プンスカ!」などと思っていましたが、大人になって考えてみると「なるほどいい考えだ」と思うようになりました。
タイムセールをやるということは、「その時間帯に来ることが出来る」上に、「その時間帯にたくさん買い物をしてくれる」人達を呼ぶということなのです。
17時という時間は絶妙で主婦の方が多く訪れる上、夕食の準備にちょうどいい時間であるためセールついでに他の食料品を買ってくれることも見込めます。
それに、人間おなかが空いている時はおいしいものをたくさん買いたくなりますが、おなかがいっぱいの時は食べ物のことを考えたくすらなくなりますしね。
もしもタイムセールを13時だとかにやろうものなら大変です。ただでさえ昼食をすましていそうな時間な上に、主婦は昼ドラで繰り広げられる男と女のグダグダに目が釘付けです。
タイムセールは上手く使えば客の動向をある程度左右できるという素晴らしいシステムだと思います。リアル店舗であれば、の話ですが。
ネットショッピングサイトでタイムセールを行う際、一番問題となるのはサーバへの負荷です。
ダウンロード販売ならともかく、普通の商品を売る場合にはどうしても数量が限定されます。
数量限定である以上、タイムサービスの開始時刻にユーザは殺到し何とか注文を済まそうと画策します。
その際のサーバにかかる負荷は想像を絶し、普段はまともに動くはずのサービスでさえもユーザの勢いに白旗をあげるのです。
また、サーバの不調により注文戦争に敗北したユーザは激おこぷんぷん丸となり、「二度とこのサイト使うかバカァ!」と逆恨みをします。
ネットショッピング運営もユーザも誰も得しない地獄絵図の完成です。
大規模なネットショッピングサイトであれば、まだ大量に耐えうるだけのシステムを用意できるかもしれませんが、中小規模のサイトではまずやらない方がいいでしょう。
また、今でこそTwitterだの何だのでインターネットのリアルタイム性というのが増してきていますが、基本的には昔と同様「現在も過去もごちゃ混ぜにした世界」となっています。
何年も前に書かれた文章も、ほんの数分前に書かれた文章も、GoogleやYahoo等の検索エンジンを経由することで並列して調べることができるのが、インターネットの長所であり短所でもあります。
そのため、タイムサービスした際の価格や企画内容がインターネット上で公開されていた場合、タイムサービスに出会えなかったユーザに不公平感を与え、買い控えを引き起こす可能性が出てきてしまうのです。
このユーザの感じる「不公平感」というのも、リアル店舗であれば「その時間に店に行けないから仕方がない」と諦められますが、電波さえあればどこからでも携帯電話経由で注文できるからこそ起こる、まさにネットショッピングだからこその問題だと言えましょう。
では逆に、ネットショッピングでタイムセールを行った場合の利点を考えてみましょう。
ネットショッピングでは、先ほど言ったとおりどこからでも注文できる以上、特定の客層にアピールすると言ったことは出来ませんが、その代わり定期的にタイムサービスを行うことにより、「顧客の囲い込み」を行うことができます。
もちろんセールするわけですから、集客ついでになかなか売れない在庫の処分も出来るという利点があります。
ただし、真にタイムセールの効力を発揮できるとは、ソフト等のダウンロード販売系ネットショッピングサイトだと言えましょう。
元々在庫の概念がないため、タイムセール開始と同時の大量アクセスも多少は抑えられるので、純粋に集客効果を期待できます。
ただしファイルをダウンロードさせる関係上、最初の段階で通常のネットショッピングサイト以上にサーバや回線など設備をきちんと補強しておかないと、商売するというレベルの話ではなくなってしまうので要注意です。
正直な話、ネットショッピングサイトについては商品も客も大手に集中するので、今から始めてもよほどニッチな商品を扱わない限りは厳しいと思います。
ただ、配達方法・支払方法・配達料等、リアル店舗では考慮にいれないところでも、他のネットショッピングサイトと差別化できたりしますので、儲けようと思う方は頑張ってください。

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