ソーシャルゲームへの課金に対して、「サービス終了したら金の無駄になる」派と「その時楽しけりゃいいんだよ」派で未だに論争が続いている昨今であります。
つまるところ、ソーシャルゲーム肯定派と否定派の戦いなわけですが、平成生まれながら普通に(スーパーじゃない方の)ファミコンに親しんできた私としては、別にどっちでもいいんじゃねという感じです。
〜完〜
というか、Steamでセール時にゲームを買いあさったものの、30分くらいしかプレイせずそのままになっている残念な子である僕には、どっちの言い分も分かっちゃうわけで何とも言えない感じだったりするわけです。
個人的に、ソーシャルゲーム界隈は一発どこかのメーカーがヒット作を当てれば、それの絵をちょっと変えただけのクローンゲームが大量に出てくるのが嫌いですが(操作感で差別化も出来ないしね)、そのパイオニアたるヒット作は本当にすばらしいものなのです。
操作を簡易化する代わりに、コンシューマーゲームの面白いところを抽出して楽しませてくれます。まさに時間のない人にぴったり。
ただしいつも論争の種になるのは、お金儲けの方法の話。
ここ最近、話題になっている2つのソーシャルゲーム「パズル&ドラゴンズ」(パズドラ)と「艦隊これくしょん」(艦これ)から、ソーシャルゲームのお金儲けについて考えてみたいと思います。
まず、旧来のソーシャルゲームのお金儲けの話。
旧来のソーシャルゲームでは、わざとゲーム進行を不便にし、ゲーム進行を便利に進めさせる課金アイテムを販売するという方策を採っていました。
また、強力なゲームキャラクターを販売することもよく行われます。
ソーシャルゲームでは他プレイヤーと何かしらの方法で対戦できるものが主流で、しかも初期のヒットタイトル「怪盗ロワイヤル」のように「対戦に勝つと相手のアイテムが奪える」と言ったシステムが組まれていることが多いのです。
つまり、「強力なキャラをもっていれば、持っていない人よりもゲーム上で優位に立てる」。
ソーシャルゲーム内で上位を目指す人達に課金をしてもらう、というお金儲けの方法です。
販売方法も多岐にわたり、素直に販売するときもあれば、その名の通りどのキャラが出るか分からない「有料ガチャ」のみで販売されることもあります。
また、こちらは批判されましたが、有料ガチャで特定のキャラ達をコンプリートすると特別なキャラが手に入る「コンプガチャ」というものもあります。何回有料ガチャをすればコンプリートできるか分からないので、数千円で済むこともあれば10万円かけても手に入らないこともある恐ろしい販売方法です。
また、「イベントの上位○名にキャラを配布」と言った企画を組むことで、ゲーム進行を便利にすすめさせるアイテムの利用を促進させたり、強力なキャラの需要をあげたりと、まさにプレイヤー間での札束での殴り合いを引き起こすことが出来ます。
殴り合った際に使った札束は運営会社があとで美味しくいただけるので、企画がうまくいけばホクホクです。
ちなみに今回はソーシャルゲームの話ですが、パソコン用のオンラインゲームも似たような課金形態が多かったりします。
そもそも、こういう課金形態をもつオンラインゲームの始まりが、某国でコピーゲームが蔓延しコンシューマーゲームが儲からなくなった結果、コピーしようもないオンラインゲームでお金を儲けることが主流になったことからだったりします。
そのため、正常に経営出来る程度にユーザから課金してもらわないとゲームメーカーも困るわけです。
多々批判されておりますが、そのような状況下で試行錯誤を行い、つまれたノウハウの結果が有料ガチャでありコンプガチャであったのです。
ここ日本でも数年前にマジコン騒動で大騒ぎになってしまったように、コピーゲームがより身近になりつつあります。
そんな中、コンシューマーゲームを作っていたゲームメーカーがソーシャルゲームを作り始めるのは当然の流れと言えるでしょう。
閑話休題、そんなこんなでお金儲けの実績を作ってきたソーシャルゲームの運営会社なのですが、
いかんせんゲーム自体の知名度が低ければ、絶対的なプレイヤー数は少ないですし、プレイヤー間での対戦もなかなか盛んになりません。
いくらデータ上のアイテムやキャラを売るとは言っても、ソーシャルゲームのシステムを動かすためには運営費がかかります。
結果的に待っているのは「ソーシャルゲームを作ってみたはいいものの、儲からないので数ヶ月で運営終了」という悲しい結末。
たくさんプレイヤーがいてなんぼのソーシャルゲームなので、ぶっちゃけほとんどのユーザはヒットタイトルぐらいしか遊びません。
みんなしてヒットタイトルのシステムをほぼ丸パクリして絵だけ変えたようなものばかりだしているので、余計にその傾向は強まっていきます。
一部ニッチな需要をついたタイトル以外は大体悲しい結末を迎えているのです。
そんなメジャータイトル以外は閉塞感があったソーシャルゲーム界に、去年流星の如く現れたヒット作がガンホーの「パズル&ドラゴンズ」だった、というわけです。
「パズル&ドラゴンズ」は旧来のソーシャルゲームとはかなり違っていました。
まず、プレイヤー間での対戦というシステムがありません。「札束での殴り合いが起こらない」という時点で驚きです。
そして唯一の課金アイテム「魔法石」をことある毎に配布するという暴挙まで行い始めました。
メンテナンスが遅れると即魔法石プレゼント。
AppBankの社長がダンジョンをノーコンティニューでクリアしたので魔法石プレゼント。
アプリのダウンロード数が一定数を超えたから、記念イベントだ魔法石プレゼント。
通算ログイン日数がキリの言い数字になったぜ魔法石プレゼント。
その大盤振る舞いぶりから、ガンホーの社員は語尾が「魔法石プレゼント」になっているのではないかと僕の中で話題でした。
となると気になるのがお金儲けの方法。
唯一の課金アイテムをばらまいている状態で、どうやってお金など儲けられるのでしょうか。
旧来のソーシャルゲームがムーブメントが起こっている短期間に収益を上げることに活路を見いだす中、ガンホーが選んだのは無課金ユーザと課金ユーザの差を少なくするという細く長い道でした。
大量に課金アイテムを配布することでたくさんのプレイヤーに課金アイテムを使い慣れさせることにより、一人一人の平均課金額が他のソーシャルゲームと比べて少ない代わりに多数のユーザに課金させることに成功したのです。
プレイヤーが課金する主な目的は「有料ガチャ」と「コンティニュー」。
他のソーシャルゲームと有料ガチャに関してはほぼ同じですが、コンティニューはパズドラならではのものです。
パズドラではプレイヤー間での対戦が無い代わりに、あらかじめ用意されたダンジョンをプレイヤーが攻略するというゲーム形式になっています。そのため、どちらかというとプレイ感覚的にはコンシューマーゲームの方に近くなっています。
最初こそ弱いキャラでもクリアができますが、後に進むにつれ強いキャラがいないとクリアが厳しくなっていきます。
強いキャラは有料ガチャの他にも、ダンジョン内の敵を倒すと一定の確率で手に入るのですが、例え強いキャラがダンジョン内で手に入っても、ダンジョンをクリアしないと入手できたことになりません。
ダンジョン途中で力尽きてしまったとき、そんなときでも魔法石を使えばそこから「コンティニュー」ができる。
それがユーザの課金欲に火をつけるのです。ちなみに、期間限定ながらクリアすると必ず強いキャラが手に入るダンジョンもあるので余計に火が付き大炎上です。
もちろんタイトルに「パズル」が入っていることから分かるとおり、強いキャラがいてもパズルが下手だとダンジョンはクリア出来ません。
旧来のソーシャルゲームのお金儲けの路線を踏みながらも、「パズルの実力があれば何とかできることもある」というまるでコンシューマーゲームのようなゲーム性がたくさんのユーザの心をつかみました。
パズドラの面白さは口コミで広がっていき、そして人気に火が付き、運営会社であるガンホーはそれはもう大もうけしたそうです。
パズドラのブームの中、今年4月に現れたのが角川ゲームスの「艦隊これくしょん」です。
艦これの課金システムについて考えて……みたいと思ったのですが、想像以上にパズドラのことを書くだけで疲れたので、次の記事で書くことにします。
ぶっちゃけた話すると、ブログ書いてる暇があったら艦これの攻略早く進めてえ。
おそらく今週中にはこの記事の続編が出来ると思いますので、それまでしばしお待ちください。

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